ピカチュウハピナス【デッキ解説】
こんにちは。おとです。
今回は、先日のシティリーグシーズン1で使用した『ピカチュウハピナス』についての解説です。
結果は惜しくも9位でしたが、非常に高いポテンシャルを感じたため筆をとることにした次第です。
登場したばかりの新しいアーキタイプでこれからの環境の動き方によっては十分に環境に食い込んでくると思われますので、参考にして頂ければ幸いです。
■自己紹介
はじめに簡単な自己紹介から。
上記の通りの数々の公式大会で入賞してきました。
定期的な記事の投稿も行っており、言語化能力にも自信があります。
ぜひ最後までご覧ください。
■環境考察
超電ブレイカー1週間前のTier表が以下の通りです。
頭一つ抜けてタケルライコが多く、次点でリザードン。そしてその下にあまりにも多様なデッキがある、という認識。
タケルライコをマークすることはマストとし、その他の多様なデッキに対しても太刀打ちできるようなデッキパワーの高いものを選択する必要があると感じていました。
さらに超電ブレイカーの新カードを用いた新しいアーキタイプ(ピカチュウ、ミロカロス、サザンドラ)が登場することも考えられたため、尚更どんなデッキが相手でも基本の動きで対処できる対応力が求められていました。
実際に超電ブレイカーの発売後の環境ではさらに使用率がバラけました。
タケルライコを抑えつつ、他にも劣らないデッキパワーを確保するという認識は間違っていなかったです。
■タケルライコの攻略
現在の環境で独走状態にあるタケルライコにも、意外と弱点はあります。
それは、
場をサイド1のポケモンで固めることで、タケルライコ側に先に攻撃されても2-2-2で巻き返せること。
この芸当が可能なのが、最近増えつつあるこの4つ。
ボムパゴス
古代バレット
サーフゴー
ソウブレイズ
これらは『場をサイド1のポケモンで固めること』と『タケルライコを1度の攻撃で倒して2-2-2を通せること』を両立しています。
(ボムパゴスはタケルライコにはダメージが届かないものの、ヨルノズク、ピジョットexの存在からベンチを呼び出せる再現性が高い。)
ただ、これらのデッキは残念ながら次点で多いリザードンやドラパルトといった2進化系統のデッキに不利を取る傾向にあります。
それはボム、ブライア、ファントムダイブの所為。
『リザードン』、『サーナイト』もタケルライコに強いと評判ですが、実戦において序盤の展開が芳しくない場合そのまま押し切られてしまうことも少なくありません。
これは、どちらのデッキも初動に複数のポケモンを展開を要求されていることが問題になっています。
通称ポフィンデッキは初手にポフィンを持っているかどうかにかなり依存しています。
先攻1ターン目でポフィンを使えずハイパーボールで渋々ヒトカゲ、ラルトスを出した場合が特に顕著で、盤面のポケモンが少なく手札も減っているため、以降の試合展開でライコ側よりかなり高い要求値を通し続けなければならず、勝つことが難しくなります。
結局ライコミラーで実力ゲー(引きゲー)をするしかないのかと考えている所に、CL東京のタイミングで新カードが発表されました。
それこそが『ピカチュウex』。
特性【がんばりハート】で対ライコにおいては実質的にサイド1のアタッカーとして運用することができながらワザのダメージも高く、お守り付きライコですらワンパン可能です。
ここまでライコに強くて良いんでしょうか。
場持ちのいい特性とワザのエネトラッシュが絶妙に噛み合わないためデッキ構築にかなり苦戦しつつも、今回のシティリーグシーズン1はピカチュウexのデッキを使うことに決めました。
■ピカチュウexの理解
ピカチュウexのデッキを構築する上で課題となってくるのが主にこの2つ。
エネルギーの供給方法
ドラパ、サナへの対抗手段
これらについて思案したものを提示していきます。
◯エネルギーの供給方法
3色のエネルギーを揃えることに加えて、トラッシュされるため持続的な供給が必要なため、かなりハードルが高いです。
ただ、そのバリエーションは意外にも多いです。
今回は5種類の方法を考察しました。
レアコイルの特性【かじょうほうでん】
ハピナスexの特性【ハッピースイッチ】+「ガラスのラッパ」
「ミラージュゲート」(ロスト軸の活用)
レジギガスの特性【こだいのえいち】
バチュルのワザ『バチュチャージ』(テラパゴスのワザ『プリズムチャージ』)
他にも、「アカマツ」、「きらめく結晶」、「草オーガポン+つけかえ」といった補助手段もあります。
それぞれ見ていきます。
1.レアコイルの特性【かじょうほうでん】
供給量とトラッシュからの加速という点が非常に優秀ですが、相手にサイドを与えてしまいます。
攻撃するために毎回サイドを渡しているようでは、ピカチュウexを実質的にサイド1のアタッカーとして運用できないため、今回は採用を見送りました。
ピカチュウexが特性で耐えることを前提にしてやっと追いつくほどのサイドレースになるため、ドラパ、サナに弱くなりやすいのはもちろん、チヲハウハネの耐性も低くなってしまいます。
進化前のコイルがHP60しかいないのも微妙です。
2.ハピナスexの特性【ハッピースイッチ】+「ガラスのラッパ」
ガラスのラッパで無色ポケモンに付けたエネルギーをハピナスexの特性で付け替えて供給する方法。
結局今回採用することになったのはこのギミックですが、実はまあまあ要求が高いです。
エネルギーが付いていないピカチュウexをワザが使える状態にするには下記の手順を踏む必要があります。
①の時点でポフィン非対応であるラッキーを2体準備するのにまあまあハードルがありますし、②以降の要求値は枚数にしてなんと6枚(③に関しては大地の器で加えてハイパーボールでトラッシュ、といった手順を踏むことになる)。
加えて、ピカチュウex以外でスタートした場合は入れ替えも必要になります。
今回のデッキは、この要求値の高さを改善することを意識して構築しています。
3.「ミラージュゲート」(ロスト軸の活用)
山札から供給できるのは序盤こそ優秀ですが、中盤以降はワザでエネルギーをトラッシュしていくため、そのトラッシュしたエネルギーを山札に戻す手間が発生します。
条件がロスト7枚ということで自ずとロスト軸のデッキになると思われるのですが、ピカチュウ側がロストを欲しているのに反して、残念ながらロスト側は特にピカチュウを求めていません。
ロストバレットは現時点でそれなりにタケルライコには強いのが理由です。
ウッウ、ヤミラミでサイドを1-1交換しながら最終的にガチグマでワンパンして残り2枚を取り切るというゲームプランが取れます。
寧ろロストとピカチュウは苦手なデッキ(ドラパ、サナ)が被り気味なため、ここを組み合わせる必要は無いと感じました。
4.レジギガスの特性【こだいのえいち】
本来はレジ系だけで場の6枠を埋めてしまいますが、ゼロの大空洞を出すことでベンチ枠を増やし、ピカチュウex等を出すことができるようになります。
ゼロの大空洞の条件であるテラスタルをピカチュウex自身で満たしていることが噛み合っています。
ただゼロの大空洞に大きく依存しており、ゼロの大空洞を張り替えされながら手札干渉されただけで立て直しがかなり難しくなります。
レジ系唯一のシステムであるレジドラゴもHPが130のためカースドボムで倒され、盤面をボコボコにして返されます。
デッキの構造上レジ系を展開することが必須になるため構築の幅も狭く、これらの問題を対処することが難しいと感じたため諦めました。
5.バチュルのワザ『バチュチャージ』(テラパゴスのワザ『プリズムチャージ』)
ワザとはいえあまりにも破格の供給量。
なんで好きなようにつけられるんだ…凄すぎる。
ワザで加速→トパーズボルト→ワザで加速…と進行するのはテンポが悪いため、アカマツ等で補助することにはなります。
軸が定まっていない分構築の幅がかなり広いこと、後1バチュチャージの成功率を担保する必要があること、バチュルのHPが低いためドラパ、サナに対して余計に対抗手段を練る必要があること等から構築の難易度が高く、シティリーグまでの時間が迫っていたため今回は見送りました。
まだ試せていませんが、今回紹介した5つの中ではハピナスの次点で可能性を感じます。
○ドラパ、サナへの対抗手段
特性【がんばりハート】が作用しないこれらのデッキに対しては、別途対策が必要だと考えました。
今回は6種類の方法を考察しました。
テツノカイナexでのサイド複数取り
月光手裏剣でサイド複数取り&盤面崩し
スピンロトム、ウッウ等で後攻1ターン目から攻撃して盤面を崩す
ハピナスexで耐久して戦う(ドラパのみ有効)
グラビティーマウンテン、まけんき、マシラ等を用いてワンパンすることでエネ供給を追いつかなくさせる(ドラパのみ有効)
ベラカスでファントムダイブの効果を防ぐ(ドラパのみ有効)
それぞれ見ていきます。
1.テツノカイナexでのサイド複数取り
最も分かりやすい対処法。
ドラパ、サナの両方とも230ダメージをすぐに出すことは難しくテツノカイナexが倒されづらいため、ごっつあんプリファイが2回通ってそのまま押し切れる展開も望めます。
問題は、逃げるが重いサイド2ポケモンということ。
ライコ相手にスタートすると、サイドを2枚先行されることがほぼほぼ確定してしまいます。
2.月光手裏剣でサイド複数取り&盤面崩し
ピカチュウに必要なエネルギーがカラフルなためエネ加速の手段に色を問わないことが多く、その場合4色目に水エネルギーを採用することで手裏剣を打てるようになります。
テツノカイナexより要求は高くなりますが、2体きぜつ(トラッシュ)できる点、非エクで攻撃している点が優秀です。
ゲッコウガ自体は自然に採用できますが、水エネルギーがノイズになる点が心配です。
また、マナフィ1枚で無力化されてしまうという懸念もあります。
3.スピンロトム、ウッウ等で後攻1ターン目から攻撃して盤面を崩す
ヨルノズク軸とロスト軸で可能。
ドラパもサナも先攻2ターン目から攻撃することは難しいため、後攻1ターン目での攻撃に成功すればだいたいはサイドを2枚先行した状態からゲームを始められます。
ただ、後攻1ターン目に攻撃する再現性を担保するためにはそれなりの枠を割く必要があります。
いれかえ等汎用性の高いものもありますが、本来のデッキパワーを落とさないレベルに調整するのが困難で、これはどのアプローチにおいても言えますが必要パーツが揃わず攻撃に失敗した途端勝ちづらくなるのが微妙です。
このアプローチ1本に対策を委ねるのはあまり得策と言えません。
サナのアンフェアから復帰できるかという懸念もあります。
4.ハピナスexで耐久して戦う(マシマシラ、フトゥー博士のシナリオ)
ハピナス軸で可能。
ハピナスex+マシマシラ+フトゥー博士のシナリオを組み合わせた耐久がドラパに対して有効なのは歴史が証明済(参考:CL札幌2024)。
…と思いきや、ヨノワールの登場でそうでもなくなっています。
しかも、サナに対しては全く意味を為さないです。
本来ピカチュウが攻撃するためのカードとは全く別の部分に複数の枠を割くことにもなります。
5.グラビティーマウンテン、まけんき、マシラ等を用いてワンパンすることでエネ供給を追いつかなくさせる。
多少強引ではあるもののやっていることはライコと同じで、ドラパをワンパンし続けることで攻撃が途絶えるのを狙うというもの。
ピカチュウexでワザを連発することになるため要求値は高くなりますが、通ればドラパ側としても為す術がないです。
本来不利な対面をひっくり返すには、こういった多少強引なアプローチも時に大事になると考えています。
ただこれもサナに対しては全く意味を為しません。
6.ベラカスでファントムダイブの効果を防ぐ
かがやくフーディンでがんばりハートを機能不全にさせられるため、ベラカスでは対策として不十分です。
一応3回の攻撃で負けなくなりますが、カースドボムがあるともう全然ダメです。
まとめると、
○エネルギーの供給方法
ハピナスexの特性【ハッピースイッチ】+「ガラスのラッパ」
バチュルのワザ『バチュチャージ』(テラパゴスのワザ『プリズムチャージ』)→保留
○ドラパ、サナへの対抗手段
テツノカイナexでのサイド複数取り
ワンパンすることでエネ供給を追いつかなくさせる(ドラパのみ有効)
今回の構築はこれらを意識してデッキを構築しました。
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