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それは単なるお金マジックなのか

先日、数年ぶりに(とある目的のために知り合った)仲間数人と食事に行ってきた。年齢も経歴もバラバラで、もちろんどれほどの財力があるのかもまちまちな集合体。
とある目的を介して出会わなければ、一生会うことはなかった人たちだ。

noteでも少し触れたことがあるけれど、私はHSPの気質が強いので、基本的に3人以上の人間とあらたまって集合し話や食事をするという行為は、なかなかにハードルが高くて苦手だ。その関係性の中で自分が無理をして振る舞っているときなんかはとくに厳しいものがある。

話が逸れてしまったけれど、そんな集合体の中にどうして今回はわざわざ飛び込んだかというと、お祝いの席を兼ねていたから。メンバーの一人が結果を出したので、それをみんなで祝おうということになった。

心からおめでとうと思った。
だけど、自分の気質を考えたとき、あの人たちと会うのは心身に負担がかかるから嫌だなぁという気持ちもあった。
場に疲れてしまうだけでも翌日まで体調不良を引きずってしまうのに、それに拍車をかけて私の心を悩ませたのが、今回利用することになったお店だった。

ようはバル。
「5000円のコースを予約しました」と連絡をもらったとき、私の心はひっくり返ってしまった。えー!?高すぎない!?こんな金額を一人当たり出して飲み会するのって当たり前なの!?どういう金銭感覚してるの!?普通に大学へ行ったり、勤め先で飲み会があるような人たちはこんなの普通なの!?幹事ありがとう、って「幹事」って言葉が飛び込んできたことにも驚いた!

コンプレックスと偏見にまみれた驚きで私は大パニックになった。
半泣きの状態で、どうしよう、どうしよう。断ろうかな。改めておめでとうとメッセージを送るだけでも十分なはず……。

とくに恥ではないので少し書くと、仕事疲れから半年弱休職した経緯があるので、私の貯金はすっかり空っぽだ。毎月のお給料は1000円として残らない。低収入に加え、通院や最低限の出費はばかにならず、貯金すらできない。
お金って不思議で、貯まり始めたらどんどん貯まるのに、マイナスに近いギリギリのときって本当に1000円すら貯めることが難しい。

自分の体調や気質も相まって、私は学生を終えてからずっと非正規で働いているためボーナスを当てにできたことはない。きっと一生縁がないものの一つにボーナスは含まれる。
自分のことをお金を稼ぐ能力のない人間だと蔑み、泣いてしまうような人間が(でも最近はもう自分を受け入れているので、過度な蔑みはなくなった。健康に毎月の生活費を稼げているだけとてもすごいことだし、お金の勉強をしたり、前向きめ)、「5000円ね。うんわかった!」とは言えないのである。

私以外のメンバーはお酒を飲むので、そう考えると5000円は妥当もしくは安いということになるのだと思う。
お酒を飲まなくても、場を楽しむことができれば5000円の価値はある。
でも無理をしないと話ができない集合体の中で、初っ端から頬の口角が引き攣っているのを感じながらの食事は厳しく、憎んでいる「二軒目」制度にも心身がグラグラになった。

夜のカラオケって高いね。カラオケは、「二軒目」の中でトップクラスに苦手な場所。
大きい音が苦手なのである。それと、自分だけが気持ちよさそうにシャウトする姿。
防衛本能から、私は早々に眠たくなってしまい、必死で笑顔の面だけを被って、2時間耐えた。

「二軒目」に耐えられる財布の強さもなければ、心身の強さもない。
その上、相談が一切なかった祝いの品の金額も支払うことに。
グラグラ、グラグラ……。
怒りなんて湧いてこない。
ただ悲しくてたまらない、そんな夜だった。


自宅最寄り駅で降りた私は、猛烈にお腹が空いていた。おつとめ品のおっきなおにぎりを夜道をとぼとぼ歩きながら頬張った。ご飯の粒がパサパサだった。自分の気持ちを自分でなだめることができずに、ほんのちょっと泣いた。大好きなツツジの甘い匂いもにも、ちょっぴり泣いた。

自分は自分のペースでこれからも生きようと思った。今回は無理をしすぎたみたい。もし今後祝いの席があれば、もう最初の時点で「二軒目」は行けないことを伝えよう。

幾度となく、人生において言われた言葉。
「仕事が大変なのはみんな同じだよ」
「お金がないのはみんな同じだよ」
「みんな同じだよ」

みんなって?同じって?

メンバーにも、私にも、それぞれの事情があって、その度合いは横に並べて比べられるものではないと思う。

今回のnoteは、単なる愚痴にカテゴライズされるのかもしれない。
ただ、ここは、自分の本音を書き出しデトックスをする場所。
夢の中で泣いていた。その勢いで起きてしまったくらい、今回はダメージが大きかったのだと思う。
急遽書く予定だった記事の内容を変更し、これを書いている。

今日も惨めでもなんでもいいから、できるだけ負担のない日々を送る。掃除は明日やろう。
それだけ。


おしまい。



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