神戸の下町で突如始めたお弁当屋さんのはなし。
初夏、カクカクシカジカで仕事を辞めた。
何にもないところから、何かを搾りだして差し出す生活に疲れてしまった。
色々考えても、色々話し合っても他人の事なんて変えられはしないから
自分が変わる、自分が距離を保つしか無いと思った。
搾りだす日々は帰宅も遅くなり、疲れてご飯を作れない日が多くなった。主婦として家族にご飯が作れないというのは
なんとなく後ろめたく、申し訳なく、居心地の悪いもので
ごめんね、買ってきたおかずでごめんね。
明日はちゃんとするね、
今度は好きなもの作るからね。と
謝ってばかりだった。
何も遊びに行ってきたわけでもなく、仕事で遅くなろうがその十字架は勝手に私の肩に乗っていた。
なんでこんなに辛い思いをして謝るのか。
店やもんの、買いおかずの何が悪いのか。栄養?カロリー?食材??
このなんとなく後ろめたい気持ち、他の人もあるのかな?
これが私がお弁当屋さんを開くきっかけになった疑問。
後ろめたくない、明るい、楽しくラクできるゴハンを作ろう。
それが、すべてのはじまり。