このあと どうしちゃおう
今より少しだけ、”死”をポジティブに。
このあと どうしちゃおう
ヨシタケシンスケ 作
おすすめ:4歳から
亡くなったおじいちゃんの持ち物から、「このあと どうしちゃおう」と書かれたノートを見つける。そこから、おじいちゃんの思いや自分のこれからについて考えていくお話。
私自身21歳になりますが、有り難いことに未だ身近な人の死を経験したことがありません。特に祖父母に対しては、「長生きしてくれてありがとう。」と思うのと同時に、亡くなった時のことを考えると怖くて仕方ないです。
私にとって、死は怖いもの、でした。でもこの物語に出会い、少しポジティブに考えられるようになった気がします。
おじいちゃんの「このあと どうしちゃおう」ノートには、あったらいいながたくさん詰まっています。私のお気に入りは、「たべおわったおさらをもっていくだけで100まんえんもらえる」。いつか現実でもこうなりますように…!
このノートは、おじいちゃんにとっては独り言のようなものだったのかもしれない。でも、それを家族が見た時には、一瞬にして安心を与えてくれるのではないでしょうか。「こんな楽しそうなこと考えてたんだな。」とか「きっとこうやって天国でも楽しくやってるだろうな。」とか。私もこの先、誰かに安心を与えられるようなものを残していきたい。
主人公がすごいのは、この楽しそうなノートを見て、「もしかしたら死ぬのが怖かったのかも。」と思えるところ。確かに、怖いからこそ逆に楽しいことを考えたのかも。
死というテーマを扱うのは、中々難しいかもしれない。それでも生きていれば必ず経験する大切なことだから、命について興味を持てる年齢になったら、大人と一緒に読んで考えてみてほしい。身近な人の死でなくても、幼稚園や保育園などで生き物を飼うような機会があれば、このテーマに触れる良いチャンスになると思います。
あなたはこのあと、どうしますか?