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不思議なことがあるものです。

僕らの頭の中にある記憶が、何気ないふとした出来事をきっかけに鮮明に蘇る事があります。

そこに誰にとっての意味があるのかないのかは、分かりませんが、その感覚は妙な感じで頭の中に残り続けます。

それは2017年のハワイ旅行の出来事でした。以前その事を文章として起こしたことがありますが、また改めて手を入れたくなりましたので、ここに記します。

ハワイ旅行での移動の一部は市バス使いました。

運転手の方々がみんな優しい。行き先を伝えると、中には乗り継ぎの時には、わざわざバスから降りて次のバスの出発場所まで連れて行ってくれたりと、本当にこちらのことを思ってくれているのが伝わりました。

パンチボールに行こうと思い、何番のバスがそこに向かうか情報を集めてそのバスに乗りました。

旅の疲れから、一瞬無意識に眠りについてしまった。事前に運転手さんには、パンチボールに行きたいことは伝えていたけど、目が覚めて気づいたバスストップの通りの名前がパンチボール。

慌ててバスから降りて、携帯の地図を確認すると、まだ歩いて行く事が難しいくらいに距離があった。きっとそのまま、さっきのバスに乗り続けてるともっと停留所に着いたんだろうな。

幸い、同じ番号の次のバスがすぐに来たので、乗り継ぎ券を見せて再乗車しました。

しばらく揺られ続けたのですが一向に着かない。ただ、このバスはパンチボールに行くはずと疑わなかった。

数十分して流石におかしいと思い運転手さんに尋ねると、パンチボールはかなり前に過ぎたらしい。。このバスに乗る前に行き先をちゃんと伝えときゃよかった。

次のバス停で降りると、丁寧に運転手さんが反対車線にあるのが僕らが乗るべきバス停だよって。やっぱり、ハワイの人は優しい。ありがとう。

時間がタイトだったので、パンチボールは諦めました。また次の機会に。

ワイキキ方面に戻るバスで、頭の中に以前安倍さんが訪れた場所のえひめ丸事故の犠牲者の慰霊碑が浮かんだ。調べるとこの路線バスの一つの停留所から歩くことが出来る距離だった。

今度は事前にバス停の名前と場所を確認しつつ、バスから降りましま。

途中、ハワイのスコールにあい、全身らびしょ濡れ。車道の脇の水溜りの水が走ってくる車で、容赦なくこっちにとんでくる。その上海風もあり、体が冷え切った中で歩き続けました。

三十分程度あるいて、慰霊碑のある公園に着いた途端に、さっきまでの荒れた天気が不思議なくらいにぴたっと止まった。

本当に不思議な気持ちになった。まるで僕らがここに来ることを待っていてくれたのかのようで。

慰霊碑の場所はとても景色よく海が一望出来る場所でした。観光のホテルがあるワイキキからは少し離れた場所ですが、かなりいい場所ですよ。

9名の犠牲者の方々に祈りを捧げ、帰りのバス停に向けて歩き始め、公園を出たところで再び雨が降って来ました。

不思議なことってありますね。ハワイに来られたら出来たら訪ねてみてくださいね。

今でも時折、あの雨の意味を鈍い頭を動かして考える事があります。天気が変わりやすいのかもしれないですが、あんなに極端に公園に入る時と出る時に天気が変わったことで、僕の胸の中で普通の思い出で留まることは無くなりました。

パンチボールも大事ですがまず、私たちのことを思い出してくださいって意味なのかもしれません。

少なくとも僕の中では、この事故に対する認識は深くなりました。

忘れないでいてねってことだったのかもしれません。

もしそうなら、こうやって思い出すことってとても意味のあることかもしれませんね。

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久保田牧土
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