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可愛い子を、本当に叱れますか?

最近、子供を叱りました。それが難しい。成長につれて、いろんな意味で知恵を付けてくるから。子育て世帯や経験者ならお分かり頂けることかもしれませんので、よろしければどうぞ。

悪い事をした時に「ごめんなさい」が言えるように叱る。これは当然です。

もうすぐ3歳になる娘が、何度も自宅の高いところからジャンプして着地を繰り返す。うちはマンションの上層なので下の階の方に迷惑が掛かるので、その場所でのジャンプは止めるようにいうのです。

何度も言いました。それでも、楽しさを覚えたので、何度もジャンプを繰り返す。

そこで理由を添えて娘を叱りました。

「このままジャンプを続けて、もし下のひとが寝んねしてたら、眠れなくなっちゃう」

「引越しすると保育園の先生やお友達に会えなくなる」

実際は反省させたいので熱量高めの言葉を投げかけています。

3歳になろうかという年齢の女子には、既にして意地が出来上がっています。その娘の反応はこうです。

すぐに「ごめんなさい」が言えないのです。ご機嫌さんの時の饒舌具合と比べると、山の天気を想わせる変わり様です。

1時間を超えて、ひたすら雨が止むのを待つ。我が家は仮想ロッジ空間となり、親子根比べ大会の始まり。

そこに妻がそっと娘に優しくフォローを入れます。

「何でパパに怒られているんだとおもう?」と聞くと、

「あそこからジャンプしたから。」

娘は「なんで」が、理解出来ているのです。ここで、向こうには雲の切間から陽が差し込んでいるのが見えはじめます。

その後、やっと、「ごめん」が出た時、僕はそれを受け入れて、過剰に褒めました。

褒めるのは必要ですが、「過剰に」が余分な部分だったのかもしれません。

その甘さが、次の雨を呼び込みます。

その後、またすぐ父親の僕に怒られて禁止になったジャンプを繰り返し、今度は即座に、笑顔で尚且つカジュアルな「ごめんなさい」を。

明らかに「ごめんなさい」と言って、褒めてもらう事が目的になっています。せっかく雨が止んだのに。またロッジに引き返さなきゃ。

最初に怒っている時、僕は文字通り、心を鬼にしていました。厳密には可愛い子ども相手には鬼にはなれませんので「鬼になろうとしていた」のです。だから、語気は強めですがこの子の将来を思い、鬼として振る舞おうと自分の甘さにムチを打ちながら、向き合っていたのです。

しかし「ごめん」の一言により一気に緊張の雪山が溶け出し、安心したので、褒めちぎってしまった。

娘に「悪いことをしてもごめんと言えば、一発逆転ホームランのヒーローインタビューを受けられる」と、間違った学習をされてしまった。

本当に叱るって難しい。

このままいけば間違う事が明らかで、そのことが大きなリスクである場合、しっかりと叱れるようにありたい。この先が長いこの子の為にも。

更に、叱ってくれた事を素直に聞き入れられる心持ちでありつづけたいのです。無事に下山できるように。

ちなみに、最近では叱れそうになると娘が先手を打って「ごめんなさい」してくることもしばしば。更に「パパ、大好き」と「ハグ」のトッピング付き。

一気に熱が冷めて、思わず言葉を失い、笑いが生まれます。3歳児からの、まさかのハニートラップにまんまと引っかかるパパです。

皆さん、子どもを叱る時、どう向き合っていますか? 

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久保田牧土
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