海で会おう(2021.06.22)
忘れられない、
ソウジュコン一日目
客席にマイクを向け煽りを浴びせたユンギさんの力が
ふっと抜けた瞬間を。
アミがいないことを目の当たりにしたような表情をした
ユンギさんを。
●砂漠の存在
これは、長年夢見た大賞受賞を立派に叶えた2016年を経て
飛躍相応の幸せを彼らは掴んだと誰もが確信していたであろう2017年に、
彼らが私たちに向けて投げかけた“和解と融合のメッセージ”。
数々の名誉ある賞を受賞し始めた2017年、
そんな年の暮れのAMAを終えてから、彼はひとり
シャワーを浴びながらわんわん泣いた。
これは自分が想像していた以上だ、
このプレッシャーをどうしたらいいんだろう、と。
それも今までで一番緊張して
マイクを握る手を震わせながら立ったステージの後。
あんなにもステージを愛する人が。
「これがスタートだということがわかったから、
1回行っただけで終わるとは思えなかった。」
これからのステージを恐れた。
目の前に広がった海が
本来砂漠だったことを知っているから。
見える海が広くなればなるほど
広い砂漠が待っていると思ったから。
●繊細で脆くて儚くて、でも確かに強い人
それなのにARMYには
なんて言ってくれたね。
砂漠と隣り合わせで生きている人。
怖いに決まってるのに。
アミのおかげで砂漠が海になったと言ってくれる。
もう僕は大丈夫ですって言うかのように。
怖くて心配なことなんて無いって。
繊細で、優しくて、柔らかくて、脆くて、儚くて、
それでも確かに強い人。
それからの彼は
音楽で過去を語っていたそのスタイルを変え、
彼の「今」をより見せてくれるようになった。
内在した影の部分を沢山見せてくれるようになった。
高い青空を夢見た少年が辿り着いた
息が切れるくらいに高く、寒い場所。
夢見ていたからこそ辛かったと思う。
努力して掴んだ飛躍が
着陸に向かうのか、
墜落に向かうのか、
怖かったと思う。
●どこか吹っ切れた彼
3月にオンエアされたユクイズ、
彼が語る彼自身の像が、
見違えるほどに変わっていて衝撃を受けた。
「Dynamiteがビルボード1位に載ったとき嬉しくてすごく泣きました。ようやくその時心から喜べるようになったと思います。受け入れることは受け入れて楽しもう、と。」
「批難と嘲笑を受けながら仕事を続けるくらいならそのまま辞められる時に辞める方が遥かにマシだと思っていました。でも今は、残ってくださっているファンのための僕らの着陸は最後までずっとステージに立つことだと思っています。」
涙が出るくらい嬉しかった
やっと喜べるようになったんだね
逃げたくなるくらい怖かった名誉を
やっと嬉し涙で受け入れられるようになったんだね
何より彼が導き出した「着陸」の答えが、
”アミのためにステージに立ち続ける”
だったこと、
それが本当に嬉しかった。
「広かった世界が一瞬にして小さくなることには慣れています。ツアーの時は明るい光と大きな声援の中で立っていますが、夜になり部屋に戻ると僕の世界は小さな部屋の大きさです。」
ソウジュコンが終わった後、
部屋で一人になって世界がぎゅっと小さくなった頃に
「直接会いたいです」ってWeverseに来てくれたね
将来が怖くて堪らなくなっていたステージ後の独りの時間が
アミのことを恋しく思う時間になったんだなと思うと嬉しくて
私はあの日静かに泣いたんだよ
目に見えないウイルスに壊された世界も
もしかしたら悪くないんじゃないかって
初めて思えたんだよ
●私たち、海で会おう
アミの愛称は「存在する理由」
アミを8文字で表すなら「僕らの人生の全て」
全ての問いの答えが アミ かのように話してくれる。
今までは砂漠の影を潜ませていた海が、この曲中では
アミとの思い出の場所、そして
次に会うときの集合場所として、
以前とは形を変えて描かれていた。
公演中ずっと波の音が聞こえていたという
パリ公演でのユンギさんのメント
「僕達の曲に“海”という曲があるでしょ?
僕達とアミが一緒にいるこの場所が
“海”になった気がします。
波の音を聴かせてくれてありがとう。」
そうだよ、
私たち一緒なら砂漠も海になる。
苦しみながらも随分と大きくなった自分の影を
沢山見せてくれるようになったあなたの音楽に、
影まで愛してるよと言わんばかりの歓声を届けたいし、
「もう少しで会える」と繰り返し言ってくれるあなたに
ほんとに少しの辛抱だったね、僕たち会えましたね、
って目を細めながら話して欲しい。
アミとの「有限の永遠」のカタチをできる限り、あなたが愛するステージの上で眺めていて欲しい。
客席に向かって目をキラキラさせながら
目一杯の笑顔で手を振るユンギさんが一日でも早く見れますように。
私たち、必ず海で会おう。
愛してます。