第9話 『負けから学べ!オセロッチ!!』
☆白黒★オセロッチ!
【前回までのお話】
(天空闘技場のバトルにてオセロレディとの敗戦後、かつての師と久々に再会したオセロッチ・・・)
前回
第9話 『負けから学べ!オセロッチ!!』
「そうか、それは大変な対局だったんだな・・・。」
町田先生とオセロッチは公園のベンチに座って、
一緒に缶コーヒーを飲んでいた。
オセロッチはカフェオレ、町田先生は無糖だ。
「いくら後悔しても足りないよ、僕はなんてバカだったんだ・・・」
うつむくオセロッチ。
「なあオセロッチ、勝負事ってのは勝てば嬉しいし、負ければ悔しいよな」
「そんなこと当たり前だろッ!」
「でもな、オセロッチ。本当に大事な時ってのは負けた時なんだ。」
「え?なんでだよ?」
町田先生は一呼吸置いて、オセロッチの方を見た。
「勝った時ってのは、気分は良いが、自分を省みることはあまりない。だが負けた時はどうだ?どうして自分は負けたのか?どうしたら勝てたのか?自分には何が足りなかったのか?一生懸命考えるだろ?大事なのはそこなんだ。」
「!!!」
オセロッチは雷に撃たれたような衝撃を受けた。
「だから負けたときの方が勝った時よりも、うんと成長できるのさ」
オセロッチはすっくと立ち上がった。
「先生ありがとう!僕は今、オセロを打ちたくてたまらなくなったよ!」
オセロッチの顔から悲壮感は消え、
目はキラキラと輝いていた。
「ふふっ。ほんとにお前は変わらないな…」
「僕行くよ、今すぐにでも打ちたい気分なんだ。そうだ!先生今から打ってくれない!?」
「冗談はよせよ、俺じゃもうお前の相手は務まらないよ」
「そんなことないさ、先生は強いから」
「そりゃどうも、まったくお前は…、自慢の教え子だよ…ゴホッゴホッ…」
町田先生は胸を押さえて咳き込んだ。
「大丈夫かい先生?まだ休職中なんでしょ?」
「なあに、今日はずいぶん良い方さ」
町田先生の声はかすれている。
「そっか。じゃあねー先生!本当にありがとう!」
勢いよく走り立つオセロッチ。
「なあ、オセロッチ、」
オセロッチは振り返る。
「たまには立ち止まったっていいんだぞ。休むことと怠けることは違う。」
「そうだね、でも僕は今、誰にも止められないぐらい、前へ進みたいんだあーッ!!」
全速力で走り去るオセロッチ。
「(まったくあいつは・・・。ありがとうオセロッチ。元気をわけてもらったよ)」
町田先生は、流木の様な顔をほころばせた。(つづく)
(立ち直ったぜ!オセロッチ!次回はまたオセロバトルだ!)
次回 ☆白黒★オセロッチ! 第10話 『オセロッチ VS USA!!日本のオセロを見せてやれ!』2021年9月22日更新!
☆白黒★オセロッチ! 第1話はコチラから