第40話『オセロッチのターニングポイント!?アカネの真意は何なんだ!?』
☆白黒★オセロッチ!
【前回までのお話】
風吹山のキャンプから無事に帰還したオセロッチ!
いつも通りの学校のはずが・・・!?
前回
第40話『オセロッチのターニングポイント!?アカネの真意は何なんだ!?』
「オセロッチくん、ちょっといい?」
ある日の昼休み、久しぶりにアカネに話しかけられたオセロッチ。
「話したいことがあるから、放課後、屋上に来れる?」
以前ならばこの言葉にドキドキしながら胸を踊らせたかもしれない。
しかし、今のオセロッチには、不吉な予感しかしない。
あのカジノの敗戦以来素っ気なくなってしまったアカネが、
急にオセロッチに話があるなんて…。
「じゃ、待ってるから」
それだけ言い残すとアカネは去って行った。
オセロッチは悪い方のドキドキが止まらない。
なんとなく言われたくないことを言われそうな気がする。
ユメちゃんは算数の教科書を机から出す振りをしながら一部始終を見ていたが、気になって仕方ない。
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そして、放課後になった。
「遅れてごめん!」
呼び出したくせに遅れてきたアカネ。
「こんなところに呼び出してゴメンね、でも大事な話だから、誰にも邪魔されたくないと思ったの。」
大事な話・・・!?
「オセロッチくん、オセロ辞めちゃったの??」
単刀直入に気にしていることをきかれ、戸惑うオセロッチ。
「やめたっていうか・・・」
小声でモゴモゴしてしまう。
「やめたんでしょ??」
アカネの目は冷たい。
「・・・。」
「一度負けただけでヤメちゃうんだ??」
「・・・。」
「あなたにとって、オセロはその程度のモノだったの?」
「・・・。」
「天才オセロ少年じゃなかったの!!!!!」
激昂するアカネ。
こんなアカネの姿は初めて見た。
アカネの剣幕にビビるオセロッチ…。
「ど、どうしてきみにそこまで言われなきゃいけないんだい?ついこの前転校して来たばかりのきみに・・・オセロを打つか打たないかなんて、僕の勝手だろ!?」
なけなしの勇気で反論を試みるオセロッチ…。
アカネは毅然とした態度でオセロッチに一歩歩み寄った。
「悪いケド、言いたいことは言わせてもらうわ!!あなたは弱虫よ!!類稀な才能があるのに、たった一度の挫折で諦めてしまうの??大事のモノの価値もわからずに簡単に捨ててしまうなんて、子どものすることよ!!!!」
「・・・。」
自分だって子どもじゃないかとオセロッチは思ったが、そんなつまらないことを言い返す気にはなれなかった。
「アツくなっちゃってゴメン。とにかく、言いたかったことはそれだけよ。あなたの力はきっと戻るわ。それどころか、もっともっと強くなる」
小風が吹き、アカネの長い髪がホワッとなびいた。
「じゃあね…」
乱れた髪を整え、踵を返すアカネ。
後ろ姿さえ、凛として見える。
屋上に取り残されたオセロッチの膝はぷるぷると震えていた。
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一人で帰路を行くオセロッチ。
落ちていた空き缶をカンコロコーンと蹴飛ばしてみる。
冷や水を浴びせられた気分だった。
あのアカネが、あんなに厳しいことを言うなんて…
" 一度負けただけでヤメちゃうんだ?? “
アカネの言葉がこだまする…。
だいたいなんなんだよ、急に転校してきて、僕と仲良くしたいのかと思ったら急に突き放してさ、わけわかんないよ!
“ たった一度の挫折で諦めてしまうの?? "
わかってないんだよ!オセロのことなんにも知らないくせに!
“ あなたの力はきっと戻るわ。”
戻る・・・。
僕だって打てるなら打ちたいよ!
でも、
打ちたくても打てないんだ…。
今でも夢に出てくるんだ、あのケムシとの一局、天空闘技場での一局が・・・
今の僕は緑盤を見るだけで頭が真っ白になってしまうというのに・・・。
この僕にオセロの力が戻るのか・・・。
ん?
ひょっとしてアカネは知っているのか?
僕が打てなくなってしまったことを??
どうしてアカネが知っているんだ??
このことを知っているのはユメちやんしかいないはず……。
どういうことだ・・・・??
と、そこへ
「あれ、オセロッチさんですよね?」
「き、きみは……!?」
「どうも!お久しぶりです!!」
意気消沈のオセロッチに話しかけてきた人物とは・・・!?
(つづく)
☆白黒★オセロッチ! 次回 第41話
☆白黒★オセロッチ! 第1話はコチラから
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