第44話『ペット探偵オセロッチ!!消えたモジャを追え!!』
☆白黒★オセロッチ!
【前回までのお話】
宿敵 南野ケムシを新技で見事討ち取ったオセロッチ!!
平和な日々が訪れたのだが・・・!?
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第44話『ペット探偵オセロッチ!!消えたモジャを追え!!』
春もそろそろ終わりかけの日曜の朝、
前夜遅くまでドラクエ3を楽しんだオセロッチは心地よく眠っていた。
そんな朝、ユメちゃんからの電話でオセロッチは起こされた。
「〈 大変だよ!オセロッチ!!モジャが、モジャがいないんだ!!〉」
慌てふためくユメちゃんの声。
「え? モジャが? 」
まだ寝ぼけ眼なオセロッチ。
モジャというのはユメちゃんの家で飼われている犬である。
白くてモジャモジャの毛だからモジャと名付けられたのだ。
朝ごはんも食べずにあわててユメちゃんの家まで行くオセロッチ。
ユメちゃんの家に着くと、確かにモジャの姿がなかった。
「昨日はあたしの部屋で寝てたんだけど、朝起きたらいなくなってたんだよ……。」
両手の人差し指同士をツンツンしながら、
ユメちゃんは後ろめたそうに言った。
「そ、そんな!?なにか心当たりは?」
「そ、それが……。昨夜はちょっと暑かったから、窓を開けたまま寝ちゃったんだよ……。」
「ま、まさか、窓から?!」
「それしか考えられないよ!窓からエアコンの室外機を伝って逃げたんだよ!!」
ユメちゃんの部屋は1階にある。
窓を開けたらすぐに室外機がある。小さなモジャでもこれなら外に出られなくもない。
「確かに……言われてみれば出られなくもないな……。」
合点がいったオセロッチ。
「モジャにそんな行動力があるなんて……。」
ユメちゃんはモジャを低く見積もっていた自分を省みた。
「なんで逃げたんだろう?」
モジャはユメ家から大事にされている様子だったのだ。
脱走を計るほどの悪環境とは思えない。
「知らないよッそんなの!!あたしがききたいよ!!」
ユメちゃんは頭をぶんぶんと振る。
「逃げたくなるようなことしてたんじゃないの〜?」
ジトーっとした目でユメちゃんを見るオセロッチ。
「そんなことないよ!!ごはんだってちゃんとあげてるし!!散歩だって……、散歩……」
ユメちゃんは心当たりにたどり着いた。
「そういえば、最近あんまりお散歩してあげてなかったかも……。」
ユメちゃんは読みたい漫画や観たいテレビがあると、ついついモジャの散歩を怠ってしまうのだ。
「モジャみたいな元気な犬は運動不足だとストレスが貯まるんだよ。」
知ったふうな口をきくオセロッチ。
「・・・。ごめんねモジャ・・・。でも、逃げることないのに・・・。」
べそをかきそうになるユメちゃん。
そんなユメちゃんをオセロッチは勇気づける。
「とにかく、捜索だ!!ここを捜索本部にして、草の根を分けてでもモジャを見つけ出すぞ!!」
モジャ捜索本部、ここに爆誕!!!
(つづく)
☆白黒★オセロッチ! 次回 第45話
2022年1月23日更新!
☆白黒★オセロッチ! 第1話はコチラから
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