第13話 『勝て!オセロッチ!勝負はいつでも正々堂々だ!!』
☆白黒★オセロッチ!
【前回までのお話】
小学6年生になったオセロッチは、オセロ天空闘技場でのバトルに挑む。今度の対戦相手は誰だ!?
前回
第13話 『勝て!オセロッチ!勝負はいつでも正々堂々だ!!』
ここは地上60階、オセロ天空闘技場。今宵も札束が飛び交うオセロバトルが繰り広げられている…。
オセロッチの頭はぐわんぐわんと揺れている。
吐き気を催し、頭痛がする。
おまけに意識がもうろうとして、ものすごく眠い…。
「(おかしい…勝負の最中にこんなことが…)」
「さあ!君の番だよ!早く打ちたまえ!」
短く刈り込まれた髪、
整列した白い歯を光らせ、
対戦相手のマジメ正一がハキハキとした声で言った。
「(くっ・・・こんな状態じゃ、まともな手が打てない…)」
オセロッチはとりあえず、
テンポンドポケットにスプリットした。
「ほう…その手は思いつかなかったなぁ!」
マジメ正一はニタニタと笑っている。
「ここは中右辺からブルにかけてパージしながらハネるのが上策だとおもうけどなぁ!」
オセロッチは苦悶の表情だ。
「よ、よけいなお世話だ…。」
「フフッ。まあいい。ならば僕はこうだ!」
マジメ正一は近衛首馬を刺した。
あたり一帯がマジメ正一の黒に染まった。
「く、・・・くそう・・・・・・。」
オセロッチは対戦前のことを思い出していたーーー
―――「失礼します!マジメ正一と申します!!」
対戦相手のマジメ正一がオセロッチの楽屋に入ってきた。
「僕は幼い妹と弟を食わすためにオセロ打ちになりました!オセロッチさんと対戦出来て光栄です!よろしくお願いします!」
マジメ正一はぺこりと頭を下げた。
「あいよー。」
オセロッチは釣り新聞を読みながら適当な返事をした。
「これよかったらどうぞ!僕の特製ジュースです!」
マジメ正一は水筒から紙コップにジュースを注いだ。
「あー、ありがと。」
オセロッチの目は新聞から離れない。
「コレすごく美味しいんで、今、飲んでください!」
「え?あぁ。」
オセロッチは紙コップに入ったジュースを飲みほした。
「うぇ。なんか苦い…変な味する…。」
ニヤリとほくそ笑むマジメ正一。
「ふっ。じゃあ本番よろしく・・・」
マジメ正一は不敵な笑みを浮かべたまま去っていった。
―――「(ま、まさか、あの時のジュースに・・・!?)」
「どうしたんですか?オセロッチさん・・・汗びっしょりみたいだけど(笑)」
「くっ・・・、やられた・・・。」
オセロッチは歯を食いしばった・・・。
どうするオセロッチ!?
(つづく…)
(負けるなオセロッチ!!こんなのってあるかよ!?)
次回 ☆白黒★オセロッチ! 第14話『ふらふらオセロッチ!悪にたちむかえ!』2021年10月6日更新!
☆白黒★オセロッチ! 第1話はコチラから