第26話 『魅惑の転校生!渚沢アカネ現る!!オセロッチたじたじ!?』
☆白黒★オセロッチ!
【前回までのお話】
オセロ専用人工知能オッサムを倒したオセロッチ・・・。いったいどこまで強くなるんだ!?
そんなオセロッチのクラスに転校生が!?
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第26話 『魅惑の転校生!渚沢アカネ現る!!オセロッチたじたじ!?』
いつもと同じカモメ第三小学校の朝、生徒たちがかしましく喋っている。
ガラガラガラと教室の戸が開いた。
「オラああああぁぁぁぁッッッーーーー!!!!座れえええぇぇぇッッッーーー!!!!!」
いつも通り、担任の先生ヤンセンの怒号でみんな席に着く。
「オラあッ!!今日は転校生を紹介すっゾ!!!」
ざわざわ
(え?知ってた?)
(知らない!)
(いきなり過ぎじゃない?)
「おらそこ!!!黙れェッッッ!!!!」
ヤンセンが教卓を竹刀で叩く
「オラぁッッッ!!!入れッッッ!!!!」
颯爽と入ってきたのは、目が覚めるような美しい女生徒だった。
美しく長い黒髪に白い瓜実顔、アーモンド型の吊り上がった切れ長の目。手脚は細くて長い。まるでかつての栗山千明さんを彷彿とさせる容姿端麗ぶりではないか。
あまりの美しさに、クラス中が息を飲んでいる。
「自己紹介しろやぁッッッ!!!!」
「はい!渚沢(なぎさわ)アカネといいます!!まだこの町に来たばっかりです!よろしくお願いしまーす!!」
透き通った美声に、
ほとんどの男子生徒の目がハートマークになっている。
学校1のイケメン、キム・ナルキがピューイと口笛を吹いた。
「こりゃマブい転校生だ!よろしくな!」
「わからないことがあったらなんでもきいてね!」
学校1の美女で天使のような心を持つカヲル子ちゃんが言った。
「いや俺だ俺にきいてくれ!」
「ちげーよ!俺が教えてあげるよー!」
「俺もよろしく!!」
クラスの男子達がナルキやカヲル子ちゃんに続いて次々に喋りだした。
「黙れえええええェェェーーーッッッッッ!!!!!」
ヤンセンの怒号でそれらはかき消された。
「席はッ・・・!!!!オセロッチの隣が空いてるなッ!!!渚沢はあの空いてる席に座れええェーーーッッッ!!!」
教室を颯爽と歩きオセロッチの隣の席まで来た渚沢アカネ。
クラスのみんなが注目している。
オセロッチはぼんやりと、校庭で他のクラスが体育をしているのを眺めている振りをしていた。
「オセロッチくんていうのね!あたしはアカネ!よろしくね!!」
クラス中の男子のハートを鷲掴みにするようなスマイルで、渚沢アカネが言った。
オセロッチは、いかにも今気がついたかのようにアカネの方を向き、
「ん?あぁ…、よろしく。」
と、興味無さげを装って言った。
「(ったく!ホントはキョーミ津々のくせに!白々しいんだよ!バカオセロッチ!!)」
ユメちゃんは呆れた目でオセロッチを見ていた。
◆(←場面転換)
寒風吹きすさぶ極寒の地に、高くそびえる塀に囲まれた、要塞の様な建物があった。
ここはならず者の小学生達を収監する大東亜少年刑務所。
その面会室の一角に、痩せた少年と看守が入って来た。
少年は面会に来た人物を見て驚いた。
「ぼ、ボス!?わざわざこんなところへ!?」
看守は部屋の隅に座り、なぜかイヤホンを耳に装着し、携帯ラジオを聴きはじめた。
「よォ正一。元気そうじゃないか。」
ボスと呼ばれた人物がゆったりとした声で言った。
「ボス、すみませんでしたッ!しくじっちまって…こんなことに…」
正一と呼ばれた少年は丸刈りの頭を深く下げた。
「気にするな。今日はそんな話をしに来たんじゃない。顔を見に来ただけだ。んで何年喰らってるんだ?」
「刑期は4年です。中学校生活はシャバで送れそうにないっす…たはは…」
正一は後頭部をポリっと掻いた。
「なんだそれだけか。」
「いやーキツいっすよ。まあ自分の責任なんで仕方ないんすけどね。」
ボスはコートの襟を正すと立ち上がった。
「正一、近々シャバに出てもらうぞ。お前に頼みたい仕事があるんだ。」
「えいやでも、4年後になっちゃいますよ?たはは。」
「心配するな。仮釈になるよう手配しておいた。ずいぶんと模範囚らしいじゃないか(笑)」
ボスは不敵な笑みを浮かべた。
「そ、そんな、いくらなんでも………」
「また連絡する。くれぐれも身体には気をつけろよ。」
正一の言葉を待たず、ボスは去って行った。
(つづく)
☆白黒★オセロッチ! 次回 第27話 『』
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