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第21話 『ユメちゃんがモッテモテ!?どーすんだよ!オセロッチ!?』
☆白黒★オセロッチ!
【前回までのお話】
消えたボールペン事件を見事に解決したオセロッチ。今回はユメちゃんに恋する少年が現れて・・・!?
前回
第21話 『ユメちゃんがモッテモテ!?どーすんだよ!オセロッチ?!』
1人で学校から帰宅中のユメちゃん。
「(ったく、オセロッチの奴ったら、いつもカヲル子ちゃんにはデレデレしちゃってさ!そりゃあの娘はイイコだけどさ…あたしにだってちょっとは優しくしたっていいじゃないか!いつもいつも憎まれ口ばっかりで、ホントにヤな奴!!)」
頭の中でオセロッチへの愚痴をブツブツと繰り返している。
と、そこへ
「あ、あの、」
見知らぬ少年が声をかけてきた。
「あの、桜ユメ子さん…だよね?」
ひょろりと背が高くて浅黒く日に焼けた肌をしている。
「そうだけど、あんたは?」
「あ、1組の小谷だよ。小谷ショウヘイ。」
そういえばサッカークラブで練習している少年達の中に居たような気もすると、ユメちゃんは思い出していた。
「ふうん。何か用?」
別段興味のなさそうなユメちゃんに、小谷少年は意を決した表情でこう言った。
「い、いきなりなんだけど、俺、ユメ子さんのことが好きなんだ!!!」
「!!!」
あまりの衝撃に固まるユメちゃん
「だからその、付き合ってくれないかな?俺、ほんとに本気なんだ!!」
小谷ショウヘイの表情は真剣そのものだ。
「そ、そんなこと、いきなり言われても・・・」
うろたえるユメちゃん…
「そうだよな…あ、あの、返事は今じゃなくていいから!!とにかく考えてみてくれよ!・・・じゃ!」
勢いよく走り去る小谷ショウヘイ。
「な、なんなのよ・・・」
呆気にとられ、立ちつくすユメちゃんだった…
その光景を見ていた者がいる…ッ!
「た、大変な場面を見てしまったでやんす・・・ッ!!」
電信柱の陰から一部始終を、ミジンコが見ていた。
〜翌日〜
ユメちゃんが小谷ショウヘイから告白された翌日、学校では既に噂が広まっていた。
女子たちがかしましくユメちゃんのもとに集まってくる。
「やったじゃんユメ子!小谷くんてさ、けっこうイケてると思うよ!サッカーやってて背も高いし、勉強もできるんだって!」
「顔もかっこいいし!ユメ子がいらないならあたしがもらっちゃおうかな〜っ!!」
「ばかね!小谷くんはユメ子に告ってんだからね!ねーユメ子ー!どーすんのよ!?」
たじろぐユメちゃん。
「あ、あたしは別に…」
「まさか断る気!?こんなチャンスもうないよ!!!」
そこへガキ大将のシシ丸と子分のミジンコがやってきた。
「おい聞いたぞユメ子。告られたんだってな。でもなんでユメ子なんだろうな。」
「小谷も趣味悪いでやんすねぇ〜!」
「そうだな!ガハハハハ!」
「ひっどーい!」
ガラガラガラ
オセロッチが登校してきた。
クラス中の視線がオセロッチに集まる。
「おいオセロッチ!聞いたか?ユメ子が1組の小谷に告られたんだってよ!」
さっそくシシ丸がオセロッチに声をかけた。
誰もがオセロッチの反応を見たがっている。
オセロッチの反応をチラ見するユメちゃん…
「…そうなんだ。」
それだけ言って自分の席に向かうオセロッチ。
席に着くとランドセルからVジャンプを取り出して読みはじめた。
「なんだよそれだけか?」
「あいつ妬いてんじゃないでやんすか〜!?」
と、そこへ
「オラアァァァーーーーッッッ!!!!いつまで喋っとンじゃああああああああッッッ!!!」
担任の先生、ヤンセンの怒号でユメちゃんと小谷の噂話はかき消された。
自分の席からオセロッチの横顔を見つめるユメちゃん。
「(なんでなにも言わないのよ!バカオセロッチ!!)」
ユメちゃんの心の声は、自分の胸中にこだました。
(つづく)
次回 ☆白黒★オセロッチ! 『第22話 どーなる!?ユメちゃんをめぐる三角関係だオセロッチ!?』
☆白黒★オセロッチ! 第1話はコチラから