第15話 『教えてやれ!オセロッチ!オセロ打ちの誇りを!!』
☆白黒★オセロッチ!
【前回までのお話】
凶敵マジメ正一が盛った毒に苦しむオセロッチ。勝負は佳境へ・・・!!勝つのはどっちだ!?
前回
第15話 『教えてやれ!オセロッチ!オセロ打ちの誇りを!!』
マジメ正一は下唇を噛みしめている。
握りこぶしをテーブルに叩きつけた。
「僕の両親は事故で死んでしまったんだ!幼い弟と妹を養うには金がいるんだ!!」
マジメ正一は真っすぐにオセロッチを見つめている。
「弟と妹に、何不自由ない暮らしをさせてやらなければならないッ!!大学にだって行かせてやるッ!!公立じゃなく、私立にだってなッ!!親がいなくても、幸せにしてやれるんだッ!!」
いつの間にやら、マジメ正一の目には涙が溜まっている。
「あいつらに貧しい思いはさせないッ!!この僕が金を稼ぐ限りはなァ!!小学生の僕が大金を稼ぐには、このオセロしかないんだッッッッ!!!!」
マジメ正一は言い終わるとテーブルをバンッと叩いた。
オセロッチは雑巾を絞るような汗をかきながら、
マジメ正一をギロリと睨んだ。
「それなら、その弟と妹に・・・、」
オセロッチは苦しそうに息を吸い込んだ。
「自分がどんなことをして勝ってるのか、胸張って言えるのかよッ!!!」
オセロッチはほとんど残っていない体力を振り絞って叫んだ。
「くっ・・・、キレイごとを言うなぁ!!!さっさと負けろ!そろそろ身体がしびれてくる頃だろう!どうせ何も打てなくなる!お前の負けだ!!負けなんだようっ!!!」
マジメ正一は緑盤から目をそらした。
頭がぐわんぐわんする。確かに手足がしびれてきた。
もうダメだ・・・。
オセロッチはあきらめかけた。
その時である、
実に不思議なことが起こったのだ。
「あ、あれは・・・何だ・・・?」
オセロッチには視えた。
緑盤の一ヵ所、光っているマス目があるのだ。
「(こ、これは・・・幻覚なのか、目がかすんできたのか・・・)」
次の瞬間、オセロッチの頭が閃いた!
「(こ、これは・・・っ!そうか、ここだったのか!?)」
オセロッチは手足の動かないしびれた身体を、
なんとかねじって、口でチップを咥えて、
渾身の力で放り投げた。
投げたチップはくるくると回転して、光るマス目の上にことんと落ちた。
闘技場を静寂が包んだ・・・。誰もが息を呑む・・・。
次の瞬間、
「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッ!!!!!!!」」」」
(つづく)
(何がどうなったんだよ!?オセロッチ!!??)
次回 ☆白黒★オセロッチ! 第16話 『満身創痍だオセロッチ!死闘を制すのはどっちだ!?』
☆白黒★オセロッチ! 第1話はコチラから
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