人生を変えた本

私が大学生だった頃は就職氷河期の真っ最中で、3年生の後半になると履歴書やエントリーシートを50社以上に送り、1日に2社の面接を受けるなんてことが当たり前の時代になっていました。でも私は要領が悪く、働きたいという意欲も欠如していたので(←既にこの時点で問題アリ)、結局は履歴書を書いたのも5枚くらい、1社受けて、落ちたら次の会社に履歴書を送るという具合で、面接でも「そのうち退職すると思います」と答えていた(だって訊かれるから、、、)ので、社長から「君は世の中をナメているのか」と言われてました。

あの頃、もしこの本が出版されていたら、私の人生はもうちょっとマシになっていたと思います。

私のnoteは青少年の健全な育成に支障をきたす恐れがあり、若い人たちがこの投稿記事を読むことは条例で禁止されているのですが、もし何かの間違いで偶然このページを開いてしまったのなら、今回だけ特別に人生の必勝法を教えましょう。

以下の「、、、」で挟まれた部分は、この本の記述を引用したものになります。川崎さん、もし「勝手に自分の著作から引用しやがって」とお気を悪くされたのであれば大変に申し訳ございません。良い本なのにあまり話題になっている様子がなく、せめて私が感銘を受けた部分だけでも書き残したいと思った次第です。

それとこの本、現在は私の手元にありません。仲間内で廻しているうちに紛失してしまったので、正確な引用ではありません。私の解釈が混ざっているかもしれませんので、あらかじめご承知おき下さい。

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みなさん、「job」と「work」の違いについて、意識したことはありますか?

どちらも「仕事」という意味です。ただjobは「職業」、そしてworkは「ライフワーク」なんて言葉があるように、「やること・やるべきこと」といった意味合いでも使われています。

それでは、わかりやすい例を挙げましょう。

「病気で苦しんでいる人を助けたい」というworkを持つ人が「医者」というjobに就きます。

「おいしい料理を作って、食べた人に笑顔になってほしい」というworkを持つ人が「レストランのシェフ」というjobに就きます。

これはworkとjobがわかりやすく一致していますよね。こんなのもあります。

「困っている人を助けたい」というworkを持つ人が「医者」というworkを選ぶかもしれないし、「警察官」かもしれない。あるいは「弁護士」の可能性もあります。

「マンガが大好きで、おもしろいマンガを世に広めたい」というworkを持つ人が「マンガ家」というworkを選ぶかもしれないし、「マンガ雑誌の編集者」かもしれない。あるいは「書店員」かもしれない。

それと、べつにworkって何でも良いんです。「マンガが大好きで、いっぱい読みたい」とか「一日中ゲームしていたい」も立派なworkです。だってそれがその人の「やるべきこと」なわけですから。

だから「マンガをいっぱい読みたい」というworkを持つ人が「八百屋さん」だったりします。

「おいしい料理をいっぱい食べたい」というworkを持つ人が「花屋さん」だったりします。

ここで注意して頂きたいのが、「あなたのwork、そのjobで実現できますか?」ということです。

たとえば「マンガをいっぱい読みたい」というworkを持つ人が「医者」や「弁護士」というjobを選ぶのは考えものです。激務だし、仕事の上で日々勉強しないといけないことがあるわけでしょう。のんびりマンガを読む時間が捻出できないんじゃないですか。

だからまずはあなたのworkが何か、きちんと考えること、そしてそのworkを実現するために、どのjobが適切なのか探すこと。ここをおろそかにすると、つまらない日々を送ることになるかもしれません(もちろん私みたいに中年になってからでも、いつでも再起できますよ!)。

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以上となります。

実はこの部分、本書の序盤に短かめに書いてあるだけです。本書はここから始まるのです。ただ私にとってはこの部分こそが人生を変えたのでした。

この部分、いってみれば「そうか。そりゃそうだよな」と感じる程度のものかもしれません。でもこうして言語化されることで、何か大きな気づきをもらったように感じました(あと川崎さんもだれかの著作から引用したのかもしれないけど)。

実際のところ、自分のworkを明確に自覚している人って、いい年の大人でも少ないと思っています。

私はダメな大人の典型例ですが、しかしながら、若い人たちのために何かしら力になることができたら、とは思っています。だから書きます。10代や20代のみなさん、人生はキツいです。理不尽なこといっぱいあります。世の中には汚い人間が沢山います。でもworkがあれば、あなたのworkを信じていれば、絶対にのりきれます。私が保証します(←説得力ゼロ)。

さて、それではこの本の書名を明かしましょう。ずばり川崎昌平「労働者のための漫画の描き方教室」です。

おどろいた人いますか? 自己啓発系の新書かと思ったって人いませんか?

こういう意表をついた出会いがあるのも読書の良いところです。

この本が出版された当時の私は30代、既に会社を辞めるつもりで話を進めていたのですが、辞めたところで何もアテがありませんでした。

しばらくして、現在も住む地方都市に移住した頃、私にとって命の恩人と呼ぶべき人との出会いがありました。おかげで気づいたのです。私のworkはずっと「音楽を作ること」そして「文章を書くこと」だったと。

ただ、今の会社に勤めていては、いつになっても自分のworkを実現できないことが明白でした。

だから現在の私のjobは無職です、、、

(おわり)

あとここからは一部の人の神経を逆なでしかねないので読まないで下さい。

最近は若いのに「FIREするぞ!」とか言ってる人いるじゃないですか。

いつも「大仁田厚かよ!」とツッコんでしまいます(←若い人には意味が通じない可能性が高い)。

それとも、あの人たちのworkは「リングの上で闘うこと」なんでしょうか(←だから若い人には意味が通じないって)。

真面目な話、それであなたのworkが実現できれば良いけどね、、、と冷めた目で眺めています。

あなたのworkが「働かないでのんびり暮らす」だったら何も文句はないんです。あるいはFIREすることであなたのworkを実現する余裕が生まれるんだったら問題ないんです。でも単純に「働きたくない」というだけの理由だったら、FIREしたところで燃えつきるだけだと思うのですが。

だってworkのために働くって素敵じゃないですか。