めざせ必殺ごぼう仕事人!ごぼうの里でおてつたび〔後編〕 【おてつびとインタビュー vol.2】
🐝おてつびとインタビュー vol.2🐝
大塚 稜也(おおつか りょうや)〔後編〕
9月24日から27日、青森県・三沢市のごぼう農家でのおてつたび。
今回、おてつたびに参加してくれた大塚 稜也さんのインタビュー記事を、前編と後編の2回でお届けします。
↓前編はこちら!↓
●基本情報●
おてつたび先:JAおいらせ
行き先:青森県・三沢市
期間:2019年09月24日(火)〜27日(金)
お手伝い内容:ごぼう収穫・選別など農作業のお手伝い
詳細:https://otetsutabi.com/plans/9
遠くまで広がるごぼう畑。空も広く感じます。
◆「おてつたび」がつなぐ、今後も続く関係
今回、僕は三沢市のごぼう農家に行く際におてつたびを使って良かったと思っています。
農業に興味がある人が「農家やらせてください!」と言って突然訪ねて来ても、農家さんの立場からすれば不安になりますよね。相手からしたら本気だとしても、さすがに、どこの誰かわからない知らない人はちょっと受け入れがたいという状況が起きる。
でも、そこでおてつたびがマッチングして繋いでくれると、農家さんも安心して受け入れられるし、こちらも安心して入り込める。このような機会をつくるのは、個人ではなかなか難しい。だから、機会を求めている人にとって嬉しいことだと思いました。
そういえば、受け入れ先の農家の赤沼さんなんですけど、僕と赤沼さんとは、運命的なところがあったんです。
たとえば、使ってるボディーソープが奇跡的に一緒(!)。一緒に銭湯行ったときにそれが分かって(笑)。そのときにはプライベートな話とか、踏み込んだ話とかもしました。
あと、赤沼さんはシャイというか、意外に恥ずかしがり屋なんですよ!
最初は気さくな感じで、話しやすい方だな〜と思っていたんです。だけど、だんだん会話するようになって、夕飯の後に話していると、「いやー、実はさ……。俺……、若い頃に君らみたいに一人でこういうところ飛び込んでくるなんて絶対できなかったよ」なんて言い出すんです。
そこで「いや何言ってるんですか。赤沼さん、気さくな方じゃないですか??」って言うと、「自分の家だから良いけど、異世界に飛び込むと俺、全然駄目なんだよ〜」とのこと。
え、そうだったんだ……とギャップに驚きました(笑)。
最後に写真を一緒に撮ったときには、「君たちホントに良かったよ、ありがとう!!!」「11月までいてくれよ、まだ一緒にやろうぜ」と嬉しい言葉をかけてくださって……(泣)。
「三年間修行しにきたら俺が立派な農家に育ててやるから、いつでも帰ってこいよ!」「就活も、うちでいいぞ!?」って。
僕が行けばまた受け入れてくれると言ってくださったので、その場限りではない関係を築くことができたのかなと思います。
赤沼さんと大塚くん。素敵な写真です💕
◆地域の一員として混ぜてもらうから「お手伝い」
僕は「お手伝い」という言葉に、おてつたびに行くことの面白さを読み解くヒントがあると思います。
「お手伝い」と「ボランティア」の使用場面を考えてみてもらうと良いと思うんですけど、「お手伝い」という言葉をよく聞く場は、家だとか、自分に近いところですよね。お母さんに「お手伝いしなさい!」って言われたり、仲のいい友達に「ちょっと宿題手伝ってよ」って頼んだり。
あとは「おばあちゃんの家で料理とか風呂掃除の手伝いをする」など「お手伝い」というのは、ある程度身近なところに対して使う言葉だと思うんです。
一方の「ボランティア」は、そこが身近かどうかは関係ない。ある事象が起きて、”そこに対して何かがしたい”っていう人が集まると思うんです。そのために来る、みたいな。
だから「お手伝い」は身内感、ファミリー感がある。
地域の一員として混ぜていただいて、そこで初めて「お手伝い」が成立する。それができなければ、距離が近くてあたたかい関係にはならないんじゃないかな。関係を構築できて、そして今後もその関係が続く。一歩踏み込まなければそこまでの関係にはならないんじゃないかと思います。
地域に入って、地域で過ごす人たちに溶け込んで実際に一緒にやる。それがお手伝いだと思います、僕は。一緒に始めて、一緒に休憩して、一緒に終わる。だから「一員」という感じですね。
今回は”三沢”という地域に初めてお邪魔して、お仕事や活動に混ぜていただいて、帰ってきた。その中で「今後もまた来ていいよ」と言ってもらえる関係ができました。
そうすると、本当に、「前から知っている場所」のようになるんです。だからもう、三沢については自分ごととして話せる。「知ってるよ三沢!」みたいな。「行ったことあるよ〜」ってレベルじゃないんです。「そこ、俺の三沢だよ!!」みたいな感覚になるんですよ、帰ってきたら。「知り合いだって居るし!あるよ、俺の居場所!!」って。
ただ学べるだけではなく「いつでも受け入れてくれる、自分の場所ができた」こと。
おてつたびの醍醐味は間違いなく「地域に居場所ができる」ことです。ちょっと行って、仲良くなって、「あーいい所だー」って思って帰る。それで終わらずにその先も関係が続くって、なかなかできることではないと思います。
◆第二の居場所、三沢には「生の優しさ」がある!
三沢について困ったことといえば、”方言がわからないこと”!
海外の言葉を聞いているような、本当にそんな感じなんですよね。え?これ何語なの?みたいな。話しかけてくれているのに答えられない。正直、そこが作業よりもきつかったですね。
赤沼さんは、僕が方言がわからないことを知っているから標準語でゆっくり話してくれました。でも、少し上の世代の三沢の人たちと話しているときは、何を言っているのかわからないときもありました。話す言語は一緒のはずなのに、こんなに違うんだ……!なんて。行く前は想像もしていなかったです。
でも、方言が通じないときがあっても、三沢の人たちは僕らに対して本当に親切にしてくれました。本当に、十分すぎるくらい。温かいし、僕達を快く受け入れてくれて……優しいですよね。
おかげで困ることもなかったです。言うなれば「”生”の優しさ」。――偽りじゃなくって。
本当に優しいっていう感じ。猫をかぶったり「ウソの優しさ」みたいなものってあるじゃないですか。
三沢は違うんですよ!ガチの優しさなんですよ!本物だから、響きますよ。
なんていうか、最高ですよ。まじでいいですよ。居やすいですよね。初めてじゃないんじゃないかなんて気がしました、途中から。
ファームステイに行った人って「セカンドホーム」ってよく言うじゃないですか、それに近い感覚ですね。僕にとってはもう、活動拠点のひとつです。縁がある。おばあちゃんちの次くらい。地方にある”僕のもう一つの居場所”みたいな。
それは、赤沼さんとの関わりがあったからこそなんです。
これがもし、ただのお金を稼ぐだけのアルバイトなら、こうはならなかった。僕の第二の活動拠点になったのは「お手伝い」だったから。それは間違いないです。
◆イメージが広がった、「農業」という選択肢
おてつたびで農業をやってみて、良いなと思ったことは作業が一つひとつ違うところ。種まきでひとつ。収穫でひとつ。そうやって作業が一つずつ分かれているから、それぞれに達成感があるんです。
種まきには夢が詰まっていると僕は思います。「お前がどんなうまいやつになってくれるんだ……??」って楽しみでしょうがない。要は子供ですよね。僕、子供はいないからわからないけど(笑)。
この種が成長して、美味しくなるんだ……と思うとワクワクします。自分で世話をしてきた結果が目に見えるようになる。想像するだけでも待ち遠しいです。
僕もまだ大学2年ですし、今後どうするかはわかりませんが、今回のおてつたびを通して将来の選択肢の一つとして農家になるという事は具体的にイメージができました。
三沢を訪れるときや、就農を選択するときには赤沼さんのところにぜひ行きたいですね。
(おわり)
【聞き手:上野智弘・永石智貴 構成・執筆:田中沙季】
⭐おてつたび先地域⭐
◆三沢市HP
https://www.city.misawa.lg.jp/
◆観光協会HP
『三沢市観光ガイド「来て!みさわ」』
http://kite-misawa.com/
◆三沢市移住サイト
『国際文化都市 みさわ 移住定住ポータルサイト』
https://misawa-iju.com/
⭐おてつたびの最新情報⭐
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