【令和初の】お寺に税務調査がやってきた【第1話】
お寺の現状
私が勤めるお寺は浄土真宗寺院である。
そのお寺に生まれ育ち、僧侶の資格をいただきお寺で勤めはじめてから約20年になる。
とはいえその時、私はまだ20代そこそこで父である住職は現役だった。
また僧侶ひとりいれば法務が間に合うお寺であったため私自身は宗教期間へ数年間の研修いったりきたりいったり。
または他のお寺でお手伝いのような勤めもさせていただき、お寺に帰らず他所でふらふらと研鑽をさせていただいていた。
事情が重なり6年前にお寺に骨を埋めることになる。
令和が始まった丁度その年だ。
会計は2年前から正式に私に変わった。
まだ2年目である。
先代から顧問税理士さんに会計をお願いしているのもあるがこれからいろいろと学んでいくという時期であった。
正直、お寺の会計、運営に関して右も左もわからない。
そんな状況でやってきたのだ。
「税務調査させてください」と。
ちなみに年間のお寺の収入は余裕で一千万円以下だ。
こんな零細寺院になんの用事があるというのだろうか。
税務調査は突然に
それは令和6年6月上旬の頃であった。
突然、税務署から電話がかかってくる。
丁度、顧問の会計事務所さんがお寺に来てもらっていたので電話を代わってもらった。
税務署さんが言うに、
「1ヶ月後の7月中旬、二日間税務調査したい」
と。丁度予定が空いていたのでそのまま了承することにした。
後に聞いた話だが、予定を後日にしてもらうことも可能だそうだ。
それなりに融通もきくみたいで、知り合いのお寺さんも半年後にしてもらったりしたそうである。
会計事務所さんがうちに来ていたのは、お寺のトイレの修復についてどういう風に会計処理をしていったらいいか、
また今後同じようなことがあったらどうしていくかという事を相談中であった。
その最中に税務署からの電話だったので、
「盗聴でもされてるのか!?」
と、ふたりでドン引きしていた。
税務署の中でも「源泉課?」というところから連絡で、
税理士さん曰く給与に関して源泉を逃れている所得を探すための部署だそうな。
ちなみに母曰く税務調査が入るのは15年ぶりだそう。
母も父住職も会計には疎く前回はずいぶん絞られたそうだ。。。
具体目には後ほど述べよう。
そんなこんなで今回は会計2年目の新米中の新米の私が対応することになった。
もう不安しかない。
第1話 完
<第2話 なぜ税務調査が入ったのか へつづく>