カエル
窓にはりついていて、何日もじっとしていた。
近くの葉っぱに移動したが、
同じ方角を向いていて動かない。
その様がかわいいから、私はそばを通るたびに、こっそりしゃがんで、観察した。
なんやろうこのかわいさは
きれいな黄緑色がかわいいし、目も黒くてかわいい。手足の先はうすくて透明で、小さい吸盤があって、しっかりはりついてるのだ。
いくらながめても飽きることがないその小さな黄緑色の物体から発せられるこの無言の力はいったいなんだろう
私の胸をほこほことじんわりとゆっくりとあたため、朗らかにしてくれる。
それが 自然 のもつチカラなのかもしれない。
庭の小さな丸い蓮池を覗くと、ここには背中に筋模様が入ったやつがいて、こちらは中くらいの大きさをしている。
からだは池につかっているが、顔は少し出していて、
その様もしゃがんで観察してみる。
なんだかおもしろい。おもしろい様をしているなぁと思う。
接心中にこっそり、ともだちになったのだった。