座るための場所
お寺を訪れるきっかけをくれたのは、その前に滞在していた断食道場だった。
坐禅体験をしに行くというので参加をした。
その時初めて出会った方丈様に、自由に坐禅をしに来てくださいと言っていただいて、断食道場から自転車で時々通うようになった。
ある日、ひとり入った禅堂の、ピンと張ったうつくしい空気に感化され、
ここなら心が解き放たれるのではないかと、さらさらした板の間の上を腕を大きく広げてバレリーナのようにくるくる舞った。
シーンとした空気を背にすぐに帰ったが、
禅堂の仏様に後ろか叱られていたかもしれない
禅堂は坐るための神聖な場所であって、断じて踊る所ではない。後に思い出してえらいことをしたと反省した。