春先のこと、近くのお寺まで、蕗を収穫しに出向いたことがあった。

そのお寺の山門横には、蕗がわんさか育っていて、長靴長袖軍手の完全装備をして、鎌を使って刈っていく。

そこのお寺の住職さんも見に来て下さり、昔使用していた禅堂や、茶室を案内していただいた後、皆で縁側に座り、緑茶をすすった。

こちらからは、方丈様と、白人のお坊さん、中国人のおじさん、私がお邪魔していたのだか、いささか挙動不審だったので、私が中国人と間違われてしまった。

君の方がカタコトやな、と住職さんに言われてしまい、皆笑うしかなかった。

大量の蕗を、車に詰め込んで帰った。

それからは蕗の下処理でいそがしい。

葉と茎を分けて茎の筋を取り、アク抜きのため湯がく。

食べやすい大きさに刻んで冷凍しておくのだが、量が多いので大変だ。

大鍋がいくつも稼働し、数日仕事となった。



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