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お寺は非課税?お寺の収益事業とは?

お寺などの宗教法人が「非課税」であり、「ずるい」「課税すべき」という意見をよく耳にします。しかし、これは全ての活動に対して適用されるわけではありません。宗教法人としてのお寺には、特有の税制優遇がある一方で、収益事業に関しては一般企業と同じく課税対象となるケースがあります。今回は、お寺が非課税とされる部分と課税される収益事業について詳しく見ていきます。

1、お寺が非課税となる理由

お寺は、多くの場合「宗教法人」として登録されており、宗教法人法に基づく特別な地位を持っています。宗教法人法は、宗教活動を通じて社会に貢献する宗教団体を保護し、その活動を支援するために、一定の税制優遇措置を提供しています。

具体的には、お寺が行う「宗教活動」そのものは、基本的に非課税です。たとえば、法要や葬儀、法話、布教活動など、宗教的な目的に基づいた活動から得られる収入は非課税の対象となります。つまり、これらは宗教的意義に基づく収入であり、税金がかからないのが一般的です。

2、課税対象となる収益事業

一方で、お寺が行う事業全てに税金がかからない訳ではありません。実際に税金の対象となる「収益事業」というものがあります。収益事業とは、宗教活動とは直接関係のない商業的な活動から収入を得ることを指します。宗教法人であっても、こうした事業からの収益には、法人税などが課税されるのです。

たとえば、以下のような事業が収益事業と見なされる可能性があります。

  • 絵はがき、写真帳などの物販

  • 本堂などの宗教法人施設の貸し出し

  • 茶道、生花教室の運営

  • 宿坊や宿泊施設の運営 などなど

あくまで一部ですが、お寺の資産を活用してお寺以外のことをしようとした時に結構収益事業に引っかかるんですよね。結構できることは限られてしまうのです。
課税されてでも収益事業すればいいじゃないか!と思う方もいると思いますが、実は収益事業を始めるのには意外にハードルが高いんです。

3、収益事業のハードル

① 宗教法人としての法的制約

お寺は基本的に宗教法人として登録されていますが、宗教法人にも規則があります。収益事業を始める際は、その規則を変更しないといけないのです。

規則変更には、お寺内部の総代会(一般企業でいう株主総会のようなもの)で承認を得る必要があります。さらに、〇〇宗というように各宗派に所属している場合には、本山と言われる大元の宗教法人に承認を得る必要があるのです。
お寺内部で了承を得るハードルと手続きの複雑さのハードルがかなり高いのです。

2. 許認可手続き

次に、お寺が収益事業を始める際に考慮すべきのは、事業によっては許認可手続きが必要になる点です。例えば、飲食業を始める場合は、保健所からの営業許可が必要ですし、宿泊業であれば、旅館業法に基づく許可が必要です。

特に歴史的建造物である寺院の場合、建物の改修や新しい施設の建設を行う場合には、文化財保護法や景観条例に従わなければならない場合もあります。事前に地元の行政機関や専門家と相談し、必要な手続きを適切に行うことが求められます。

3.税務署への提出物

収益事業は、課税対象なのでもちろん税務署に決算書や貸借対照表も提出する必要があります。例えば、お寺の不動産資産の価値ってどれくらいですか?と言われて、お寺の人間がわかるでしょうか?会計に明るい人でも難しい問いですよね。

お寺の財務や資産面を整理すること自体も大変な上に、お寺の人間にそれをしろというのも酷な話です。きちんとするのであれば税理士に頼む必要がありますし、そこにお金もかかります。収益事業に踏み出すハードルがあまりにも高いのです。

4、収益事業の意義と未来

上記のような理由を含めて、実際に収益事業を行なっているお寺はかなり少ないです。とはいえ、個人的には収益事業は必要だと感じています。檀家数の減少や地域社会の変化に伴い、お寺が自立して運営を維持するためには、伝統的な法要や葬儀だけでなく、新しい収入源を確保する必要があるからです。

また、収益事業はお寺の価値提供の幅を広げるための枷にもなっています。お寺が新しい取り組みを行い、新たなお寺が「開かれた存在」として機能する上での重要な手段となりえるのではないでしょうか?

終わりに

株式会社OTERAでは、お寺の新たな形を探索する出島として、日々試行錯誤をしております!

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