しめ鯖かまぼこの生みの親。山陰のかまぼこ屋さん『寿隆蒲鉾』
2024年10月25日から、OTEMOTOストアでは『寿隆蒲鉾(じゅたかかまぼこ)』さんの商品を取り扱うことになりました。実は数年前から交流があり、ずっとOTEMOTOストアのお話をしていた『寿隆蒲鉾』さん。松江で創業98年。長い歴史を持つかまぼこ屋さんです。今回は、寿隆蒲鉾株式会社の取締役・商品企画室長 壽山大己(じゅやまたいき)さんに、お店の歴史とこれからの展望のお話をお聞きしました。
寿隆蒲鉾のはじまり
寿隆蒲鉾(じゅたかかまぼこ)は、1926年(大正15年)にかまぼこ製造専門店として創業した島根県松江市のかまぼこ屋さんです。初代社長のお名前が「壽山隆一(じゅやまたかいち)」だったことから『寿隆(じゅたか)』と名付けられました。
実は二代目の社長も社長就任時に「壽山隆一」に改名しています。三代目からは本名のまま社長に就任しているそうですが、子どもの頃の大己さんは「自分もいつか『隆一』に改名しないといけないのではないか」とドキドキしていたそうです。
寿隆蒲鉾がある松江市には、宍道湖・中海と塩分濃度の高い湖があり、豊かな漁場に恵まれています。昔からその周辺には、魚問屋・佃煮屋・かまぼこ屋が立ち並んでいました。
そんな地元のかまぼこ屋さんで始まった寿隆蒲鉾さんは二代目社長の手によって大きく成長していきます。
昭和のかまぼこブーム
昭和の中期からは「かまぼこをつくれば売れる時代」があり、それに伴い会社でもたくさんのかまぼこをつくったそうです。
『かまぼこ』というのは『魚のすり身でつくった練り物全般』を指すのだそうですが、その中でも寿隆蒲鉾が得意だったのは『焼きかまぼこ』。つまり『ちくわ』だったそうです。
山陰地方では『のやき』と呼ばれる、ちくわの文化があり、昔からずっと練り物が愛されてきた食文化があります。また、山陰地方の出汁によく使われるトビウオ(あご)もよくかまぼこに使われ、あごを使った焼きかまぼこである『あごのやき』も昔から製造していたそうです。
そんなかまぼこブームの際に突如現れたのが、広島県のかまぼこ屋さんが生み出した「カニカマ(カニ風味かまぼこ)」でした。当時の二代目社長はカニカマに衝撃を受け、のやき以外のヒット商品を作ろうと、カニカマと同じ要領で「◯◯のようなかまぼこ」の開発を進めたのです。
そんな中で1978年に出来上がったのが、「鯖寿司のようなかまぼこ」である『しめ鯖かまぼこ』と「いか飯のようなかまぼこ」である『いかかまぼこ』でした。
どちらも、現在の大人気商品であり、私たちOTEMOTOストアがオススメする大好きな商品です。
(いかかまぼこは、お歳暮限定商品として準備中です!お楽しみに!)
寿隆蒲鉾の現在
お話をお伺いした大己さん。大学を中退し、東京でカメラマンをしていました。子どもの頃から将来が決められ、お店を継ぐことを強制されているようですごく嫌になったと話します。そのため、自分の腕一本で(家業など関係なく)できる仕事をしてみたくて、カメラマンになりました。東京で社会人生活を送っていた29歳のとき、当時社長であった叔父の病気がわかります。自分自身も30歳になるタイミングで、これからの人生を考えていたとき、自分の中で消していたお店を継ぐという未来が浮かび上がってきました。
「これまでは自分のやりたいことをやらせてもらい、それを突き通してきた。もしこれからも、これを突き通したらお店はどうなってしまうのだろう」と考え、「30歳までは自分のためにやりたいことをして生きたから、ここからは周りのために生きよう」と、島根へ戻る決断をしたのです。
面白いかまぼこ屋になりたい
県外にも多くのファンがいる寿隆蒲鉾の商品。生産が追いつかず、一時入荷待ちが続いていました。
今は従業員数も増えて、少しずつ供給が追いつくようになりました。寿隆蒲鉾の商品を求めるお客様にきちんと届けられるように、日々企業努力を続けています。
「業界での経験は後悔していなくて、むしろ、それによって今の仕事に繋がるチャンスが生まれたんですよね。だからこそ自分は、面白いかまぼこ屋になりたいんです!」と大己さんは言います。
外の世界に出たことで、よりいろいろなことと向き合えるようになり、今ではたくさんのアイディアが溢れているそうです。そのアイディアを実現していけるよう、現在は体制づくりに努めています。
「島根と言えば寿隆、と思ってもらえるように人を飽きさせない商品づくりを続けていきたい」と言います。
「従業員のみんなに働いてよかったと思える会社でありたいし、お客様が喜んで買ってくれる商品を作りたい。自分は、かまぼこをつくることしかできないけど、辛いことがあったり、平凡な毎日に飽き飽きしていた人がいたら、かまぼこを食べるそのひとときでも「幸せ」を感じてもらえるような、そんな時間を提供したいんです。」
かまぼこづくりへの熱狂的なこだわりだけでなく、それを取り巻く人々への感謝や望みのような気持ちが垣間見えた印象深い言葉でした。
寿隆蒲鉾さんは、従業員の皆さんやその家族、そして蒲鉾を食べてくれるお客様の幸せを何よりも優先して、人の幸せを願うとても素敵な作り手さんです。
そんな、寿隆蒲鉾さんがつくった、心のこもった美味しいかまぼこを私たちも全国の皆さんにお届けできたらと思います。
OTEMOTOストアだけではなく、今後は実店舗であるOTEMOTOの?も活用しながら、食の楽しさを伝えていく取り組みをしていきます。まずは第一弾として11月23、24日に寿隆蒲鉾の商品を使った「おでんパーティー」を開催します。美味しいおでんとお酒であったまりながら、楽しいひとときを一緒に過ごしましょう。
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