(第3回)桜の十把一絡げ(じっぱひとからげ)
八重桜っていう種類の桜は無くって、それは咲き方でしかないんです。
では一体、何と呼べばいいのか?
結論から言えば、「サトザクラ(里桜)」ということになります。
街中で見かける桜の表示プレートでも、「サトザクラ」もしくはその品種名が書かれるケースが多いです。
それでは更に掘り下げて、サトザクラって何なの?という話にもなります。
調べてみると、サトザクラは栽培品種の桜の総称で、狭義にはオオシマザクラ(大島桜)から派生した種類とのことでした。
オオシマザクラは静岡県伊豆地方に自生する桜で、若葉の展開と同時に白い一重の花が咲くのが特徴です。特性として八重咲等に突然変異しやすいことから、サトザクラの母方として使われているようです。
ちなみにソメイヨシノ(染井吉野)は父方がオオシマザクラで、狭義のサトザクラには含まれないとのことです。
シダレザクラもエドヒガン(江戸彼岸)由来で、系統としてオオシマザクラは含まないので、園芸品種ではあってもサトザクラとは通常呼ばないようです。
一方、「里」に対する概念としては「山」があり、野生種の桜は「ヤマザクラ(山桜)」ということも出来ます。
但し、種類としての「ヤマザクラ」も存在しますので、何を指しているかは文脈によって判断せざるを得ません。
ソメイヨシノが咲くと「桜きれいだね」、カンザン(関山)などのサトザクラが咲くと「八重桜きれいだね」というのはごくごく普通の話と思いますが、桜が好きになってしまうと品種、種類の違いも気になりだして、「桜って言っても、ソメイヨシノだけじゃないんだけどなぁ」とか、「ヤエザクラじゃなくて品種名か、せめてサトザクラって呼んで」なんて思ったりもしてきます。
これって、やっぱりおかしいですかね?(苦笑)
(つづく)
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