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上流から歩こう、隅田川テラス!

隅田川テラスって、聞いたことありますか? 隅田川の中の遊歩道なんですが、川沿いの再開発と共に整備が進められていて、散歩やジョギングなどで、近隣住民の憩いの場になってます。

東京都公園協会さんのサイト「集まれ!東京の水辺」には、整備状況の地図付きで詳しい紹介があります。実際、自分が出かける際にも参考にさせて頂きました。感謝!

集まれ!東京の水辺 (tokyo-park.or.jp)

また、Wikipediaにも「隅田川」や「隅田川テラス」について詳しいです。バックグラウンドとかは、こちらをどうぞ。

しかしまぁ、こんなにまとめられてるのに、なんでわざわざ自分でも文章書きたいのか? それは、浅草を中心とした記事しか見つけられなかったから!(苦笑)

すみません、私は住まいしてる北区びいき、完全な地元びいきなんです。 やっぱり自分住んでるとこ近辺て、一応自慢したいじゃないですか? こんないいとこあるんだぞって。もちろん、浅草には負けるかもだけど(爆)。

北区界隈でのお気に入りコースは、新豊橋から豊島橋の区間、そして梶原から尾竹橋の区間なんですが、最上流から河口まで順で書きたいと思います。

この記事が、隅田川テラスを上流でも歩いたり、走ったりする皆さんの参考になれば幸いです。


1. 新神谷橋上流、左岸

「集まれ!東京の水辺」の整備状況地図の一番北にある部分で、赤羽体育館の対岸になります。ちなみに「左岸」は河口に向かって左側で、川の流れに沿って下るイメージをしてもらえればわかりやすいと思います。

以前はここだけ隅田川に面してなかったのですが、日本化薬の社員専用渡し(現存する隅田川の渡しでは唯一)のすぐ下流から対岸の赤羽体育館付近までが隅田川テラスとして新たに整備されました。
以前既にご紹介した土手部分とは防潮堤を挟んだ形で、こちらは以前と同様、新田稲荷公園に隣接して数十メートル造成されています。

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左岸土手部分の造成

公園直ぐ脇には「新田一丁目」行きのバスが何台か停車してます。王子駅(王41)または池袋駅(王55)からアクセス可能なんですね。

堤防外側の遊歩道は上流に向かって続いていて、荒川との分岐、岩淵水門(青水門)、旧岩淵水門(赤水門)へとつながっています。隅田川が見渡せないので面白みにやや欠けますが、岩淵水門まで足を延ばすにはもってこいのルートと思います。

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隅田川上流部左岸。すぐ左が荒川です。

なお、新神谷橋を渡って左岸の遊歩道を目指す場合、上流側からはすぐ渡れません。いったん橋の下をくぐって下流側に向かい、車道を横切るのが最善です。最初から新神谷橋の歩道は下流側で渡れば一番良いですね。

2. 新神谷橋上流右岸から新田橋手前まで

実質的に言って、右岸が隅田川テラス最上流になります。GoogleマップではDNP神谷ソリューションセンター裏手までとなっていますが、2020年12月現在で赤羽体育館付近まで整備が進んでいます。ニトリの看板、北清掃工場の煙突が素敵なランドマークで、夕方の景色がなんともいえず良いんです。

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赤羽体育館付近から下流方面の眺め
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新神谷橋と北清掃工場の煙突

3. 新田橋付近

隅田川テラスは整備されておらず、堤防外側の遊歩道も新田橋上流右岸側が手前で途切れてます。新田橋から下流は、両岸共に堤防外側の遊歩道で歩けますが、左岸の方が新田さくら公園からテラス整備されているのでオススメですね。

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新田橋から下流新豊橋方面の眺め

新田橋は老朽化の為に架替工事中で、上流部には現在、歩行者と自転車専用仮橋を建設中です。ちなみに新田橋の橋脚はA字型をしていて、木橋時代を模しているそうです。今のうちに渡っておくとよいかもしれませんね。

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新田橋

4. 新豊橋から豊島橋まで

この区間では新豊橋の優美なアーチ、屏風のように立ち並ぶ両岸の巨大マンション群、そして荒川にかかる五色桜大橋が見事で、感動的な光景が楽しめます。豊島橋を渡る都バスも、どことなくノスタルジー。

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新豊橋
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五色桜大橋のアーチと豊島五丁目団地

また、遠くに見える東京スカイツリーの位置関係が歩くごとに変わり、不思議な感覚に陥ります。隅田川が大きなカーブを描いている為なんですが、昔はその曲がり具合から「天狗の鼻」と呼ばれていたそうです。

テラス部分は雨天時どうしても滑りやすくなるため、どちらかと言えば土手部分の方が人気です。夜間でも近隣マンション住民が散歩やジョギングを楽しんだり、ペットとの散歩をする光景がよくみられますが、いずれも土手の上での話です。

新豊橋の周囲では釣りをされる方もよく見かけます。ところどころワンドが整備され、干潮時にはカニの姿も見かけることができます。

左岸からは宮城ゆうゆう公園を経由して、荒川べりにも直結しています。私個人は距離のやや長い左岸を好んで歩きますが、右岸も豊島橋から上流に向かって夜間に歩くと、マンション各戸の灯りがモザイクのように間近に迫り、素敵な光景に出会えます。

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豊島橋上流右岸からのハートアイランド夜景

5. 豊島橋下流部

テラス整備は途中までですが、両岸ともに上流部から直結している為、豊島橋下の通行が可能です。

右岸はマンション脇のリバーサイド公園までで、その先は堤防外側の遊歩道が整備され、堀船緑地まで抜けることが出来ます。対岸を走る首都高中央環状線の眺めがよいです。

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豊島橋下流右岸から眺めた首都高中央環状線(C2)
堀船緑地に抜けられるようになりました。

左岸は高速道路の高架下になる為、騒音がやや気になります。日中でしたら宮城ファミリー公園を通り抜けて、小台橋に通じる堤防外の遊歩道に至ります。

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豊島橋下流左岸部

6. 梶原から小台橋~尾久橋まで

右岸はその昔、「梶原の渡船場」があったところから整備されています。上流部からはリバーサイド公園から堤防外側の遊歩道を歩き、堀船緑地に抜けていきます。以前はいったん川を離れて歩きましたが、裏道になっているようで交通量も割とあり、こわごわと歩いてました。途中には下道地蔵尊や西福寺(江戸六阿弥陀 一番)といった古くからの名所もあり、道中立ち寄ることができます。

直接向かう場合は、都電荒川線の梶原下車後、梶原銀座を抜けた先の白山堀公園の奥、新聞工場の裏手になります。夜間はかなり暗いので散歩に不向きですが、日中や早朝でしたら気持ちの良い直線コースです。

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小台橋とあらかわ遊園の観覧車

この区間での一番のランドマークは、やはりあらかわ遊園の観覧車ですね。隅田川に船着き場もあるので、通常でしたら付近一帯が家族連れで賑わっているのかなと思います。

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アリスの広場

荒川遊園から小台橋までは先日まで工事していましたが、現在は再び通行可能です。工事中の頃は荒川遊園脇の小径から住宅地を抜け、小台橋に向かっていました。レンガ工場から荒川遊園に変わった頃の、明治大正期からのレンガ塀が住宅地内にそのまま残っているので、古い遺構好きな人には魅力かもしれません。

尾久橋手前でテラスは終了です。土手部分は新聞工場、あらかわ遊園、尾久八幡中の箇所に断続的にあるだけです。テラス床面は一部区間で雨天時やや滑りやすいです。

同区間での左岸は、ほぼ堤防外側の遊歩道です。荒川遊園の向かい側一部と尾久橋付近だけが川に面したテラスになっています。

尾久橋すぐ脇には、日暮里・舎人ライナーが並行して走っています。遠くから眺めると、まるでおもちゃの電車のようです。

7. 尾久橋から尾竹橋まで

左岸はごみ処理工場の密集地帯でトラック往来も多い為、堤防外含めて歩くのはお勧めしかねます。

尾久橋から右岸は、ADEKA向かいのバス停とシダレザクラのある付近からテラスに出ることが出来ます。テラス自体は尾久橋付近まで続いているのですが、橋の向こう側とはつながっておらず、堤防を越えても橋の袂につながる道がありません。

隣接する尾久の原公園には芝生広場が広がり、親子連れで楽しむ姿をよく見かけます。立派な枝ぶりのシダレザクラが多く植わっていますので、お花見シーズンに訪問をオススメしたい場所ですね。

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尾久の原公園
春の枝垂桜(毎年3月下旬頃)

また、この辺りからユリカモメが多く見られるようになってきます。尾竹橋の手前でテラスは途切れます。土手も尾久の原公園付近と尾竹橋寄りのマンション前のみです。

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欄干で休息するユリカモメ

8. 尾竹橋から千住大橋まで

左岸のテラスは上流側が新たに延長されました。また、尾竹橋袂からの階段で橋の下をくぐり下流側に向かえます。

尾竹橋左岸上流部テラス新設箇所

テラスは尾竹橋から帝京科学大学前にかけてカーブして尾竹橋公園の対岸付近まで、そこから先は現在工事中で、京成本線の鉄道橋近くまで通じるようです。
完成まではいったんテラスを離れて、千住緑町の商店街と京成本線を渡る感じになります。右岸よりのんびりした雰囲気なのでお勧めします。

帝京科学大学前にはお化け煙突のモニュメントがあり、昔の様子が偲ばれます。隅田川の流れが一番緩やかに感じられるところで、陽だまりが心地よいです。

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お化け煙突と東京スカイツリー

右岸については残念ながら、京成本線を超えた荒川自然公園付近までテラス整備されていません。尾竹橋通りを町屋方向に向かい、藍染川通りを進むとまた復帰できます。歩道を走る自転車が多いので、通行には注意です。

鉄道橋を下った右岸のテラスには花壇があり、春先には菜の花が満開でした。土手には桜並木もあります。春先に歩くのちょっと楽しみです。

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春先の菜の花(毎年2月頃)

テラスは千住大橋まで延長され、現在はなんと白髭大橋付近まで続いています。以前はアクロシティEポート付近が終点で、天王公園を経由して千住大橋に向かいました。素盞雄神社もすぐ近くで、境内には富士塚や松尾芭蕉の句碑もあるパワースポットです。

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素盞雄神社

9. 千住大橋から千住汐入大橋まで

左岸は千住大橋上流部の大橋公園のところからテラスにアクセスできます。千住大橋の下には「千住小橋」があり、下流部へテラスをつないでいます。

足立市場も近いです。場内の食堂も人気があるようで、あだち観光ネットさんが特集されている記事を見つけたので、こちらもご紹介しますね。

千住大橋からの左岸は鉄道橋(JR上野東京ライン、TX、東京メトロ日比谷線)を過ぎ、太成倉庫、千住関屋ポンプ所、千住汐入大橋と続きます。

右岸は延長工事のおかげで、千住大橋上流側ともつながりました。左岸より開けていて距離も長いので、気持ちよく歩けると思います。ジョギングのランナーもこの辺りから増えてきます。

千住汐入大橋付近の土手には大寒桜の並木があり、ソメイヨシノより早い時期から桜が楽しめます。

10. 千住汐入大橋から水神大橋~白髭橋まで

左岸は旧綾瀬川の造船所付近で途切れていますが、綾瀬橋を渡ったところから再開します。首都高の高架下になるせいか右岸ほど人気は無く、水神大橋から白髭橋にかけて現在工事中の為、東白髭公園内を歩いた方がよいでしょう。

右岸は千住汐入大橋から連続して歩けます。テラスを歩くというより土手の下を歩く感じで、アスファルト路面がややでこぼこした感じです。隅田川沿いでもランナーが多い箇所です。

汐入公園は早咲きの桜の名所です。河津桜、大寒桜、陽光が、ソメイヨシノよりも早く春の到来を告げていきます。桜目当てでしたら、対岸の京成関屋か、ちょっと歩きますが南千住からの利用が便利かと思います。

右岸の水神大橋を過ぎたあたりからが自分の好きな光景で、東京スカイツリーと首都高向島線が川面に映えて見えます。瑞光橋公園は入り江になっていて、その上を瑞光橋が通ります。入り江は縁をそのまま歩けますが、ランナーは上の瑞光橋を通る方がほとんどのようです。

白髭橋近くはバードサンクチュアリになっていて、テラスは途中で途切れています。土手部分は川の手通りの歩道になっています。白髭橋は隅田川にかかる橋の中でも、最も優美な橋の一つと思います。

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東京スカイツリーと白髭橋

11. 白髭橋から河口(築地大橋)まで

狭義での「隅田川テラス」は大体この付近を指し、テレビドラマの舞台やカメラファンのモデル撮影現場としてよく使われるエリアです。

浅草界隈では、東京スカイツリーや各橋の夜間ライトアップ、屋形船が浮かぶ姿が見ていて楽しいです。歩行者やランナー以外に一般の観光客も大勢おられます。また、ホームレスの方がテントを張っている箇所も見かけます。お互いの邪魔にならないように気を付けたいです。

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東京スカイツリーと屋形船
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ライトアップされた駒形橋

両国橋手前でドロップアウトすると浅草橋または両国が近いので、行き帰りで電車利用する場合にはオススメします。

河口から遡る場合は、新橋から浜離宮公園前経由で築地大橋左岸を目指します。テラスは両岸になかったり、運河で分断されてる箇所もあるので、勝鬨橋、佃大橋、中央大橋(写真下)、永代橋と縫うコースをたどるか、一部はテラスから離れて歩くことになります(現在はかなり整備された様子)。

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中央大橋と挟まった東京スカイツリー

晴海運河で迂回してしまいますが、左岸側、佃島から越中島に向かうコースも景色が良くて楽しいですね。

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石川島公園
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越中島公園から石川島の眺め
越中島の桜

(了)



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