ロキソニで2度泣いた件
年明け早々1月4~5日の2日間、初開催されたrockin'on Sonic(略してロキソニ)
記念すべきその初日に参加してきましたのでレポートしたいと思います。
結論からいって、このイベントは自分にとって最高かつスペシャルな体験となりました。
洋楽アーティストのみで構成された純度100%のラインナップは、自分にとっての「紅白歌合戦」。
しかも、90年代から現在まで、各時代を象徴する素晴らしいラインナップが集結し、ロック音楽の歴史をたったの2日間で体感できる豪華さ!
特に90年代、00年代に青春を彩った懐かしいアーティストたちが登場したことで、当時の思い出が鮮明に蘇り胸が熱くなり、二度も号泣する事態に。。。(歳とると涙腺緩むといいますが、ホンマですね)
会場には同じようにロック音楽と共に青春を過ごした同志たちが集まり、夏フェスとは違う一体感が生まれていました。
「ST. VINCENT」「THE SNUTS」「WEDNESDAY」「LAVCAT」といった新進気鋭のアーティストから、「PRIMAL SCREAM」のように90年代から進化を続ける伝説的な存在、そして「FRIENDLY FIRES」の独自のダンサブルなロックまで、どのアーティストも最高のパフォーマンスを見せてくれました。
COUNTDOWN JAPANで使われた2つのステージをそのまま流用したお陰か、ステージ上に大きなバックモニターを配置し、より華やかな演出を堪能。
休む暇なく敷き詰められたタイムテーブルで、2つのステージ間を駆け回りお腹いっぱいになるほどの音楽体験。
それだけでもお腹いっぱい大満足なフェスでしたが、私にとって特に忘れられない瞬間を作ってくれたのは、PULPとJimmy Eat World。
彼らの曲が放つメッセージと音楽の力に、改めて涙を流さずにはいられませんでした。
泣けた瞬間その1:Jimmy Eat World - The Middle
この曲のイントロ、小気味いいギターリフが目の前で鳴り響いた瞬間、自分でも驚くほど心にドドッと強烈な波が押し寄せ、無意識に涙をこぼしていました。
思い返すと、この曲と出会ったのは、社会人になりたての頃。
右も左も分からず、毎日目の前の仕事に追われる日々。
がむしゃらにやるも失敗の繰り返しで何をしてもうまくいかない。。。と自信も持てずにいたあの頃。
そんな失意の時をこの曲が支えてくれたと言っても過言ではないです。
特にサビのフレーズが、どストレートで最高にエモいんです!
当時はその言葉がまるで自分に語りかけているように感じ、何度も何度も繰り返し聴いては勇気づけられた記憶があります。
そんな思い出深い曲が演奏された瞬間、過去の思い出が鮮明によみがえり、当時の自分が感じていた戸惑いや挫折や葛藤、そしてそれを乗り越えるために必要だった「時間」がすべて走馬灯のように駆け巡り、あの頃の自分に「よく頑張ったね」と声をかけてあげたくなるような気持ちになりました。
ステージ上の演奏は、彼らの特長でもあるスタジオ音源をどこまでも忠実に再現する感じ(←良い意味で!)はありながらも、それ以上に力強く観客の心を揺さぶるに十分な説得力あるパフォーマンスぶり。
繊細でメロディアスな楽曲と、重厚なギターサウンドのコントラスト。
そして何といってもJim Adkins(ジム・アドキンス)の熱量高いボーカル。
ステージが終わった後、興奮とともに胸の奥がじんわりと温かくなる感覚を覚えながら、再び涙を拭いました。
この「The Middle」は、20年以上経ったいまでも私を支え、再び立ち上がらせてくれ ”人生の途中にいる私” に再び寄り添ってくれているんだと実感できた瞬間でした。
泣けた瞬間その2:PULP - Common People
PULPは、1990年代ブリットポップを代表する存在、且つボーカルのJarvis Cocker(ジャービス・コッカー)は、自分にとってUKロックの魅力を知ることになったきっかけを作った特別思い入れがある偉大なお方(←ここらへんは別のお話として書きたいと思いますが、じつは最初はイヤな印象からでした笑)
そんなPULPが今回参加の一番の目当てでした。
というのもブリットポップ全盛ともいえる1995年グラストンベリーで演奏した「Common People」。
これyoutubeで何回観たかわからないくらい、「いつか生で観たい!」そう思わせるアンセムであり、生演奏を夢見たバンドでもあります。
ちなみにこのグラストのステージは、もともとトリで出演予定だったThe Stone Rosesが、ギターのジョン・スクワイア怪我の影響でキャンセルとなり、急遽トリに繰り上げされたもの。
その大役をとんでもない熱量の圧倒的なステージングで観客を魅了し、ブリットポップひいてはUKロックの歴史に名を刻む伝説的な存在となりました。
ということで少々話が逸れましたが、ついに目の前で現実となったステージ。
ジャービスは、あの独特な佇まいとカリスマ性で観客を一瞬で引き込んでいきました。
彼の動きや仕草、そしてあの低くも力強い声から繰り出す歌詞の一つひとつが、まるで観客ひとりひとりに物語を語りかけているようでした。
そしてアンコールをはさんでラスト曲「Common People」!!!!
徐々に盛り上がっていく最高にドラマティックな曲展開。
サビの「I want to live like common people」というフレーズが響くたび、胸が高鳴り、まるで青春時代にタイムスリップしたかのような錯覚に陥り、またもや涙腺決壊。。。
そして会場の一体感もまた凄いのひとこと。
何千人という観客が一緒に歌い、踊り、叫び、その場の空気そのものが「Common People」のエネルギーに包まれているかのようでした。
今回ピックアップしたPULPとJimmy Eat Worldは、それぞれ異なる国や時代背景を背負ったアーティストですが、どちらも「自分らしさを大切に」という共通のメッセージを歌っています。
それはただ懐かしいだけでなく、今の自分にも深く響きました。
社会や他人の目を気にしてしまうことが多い現代において、この2曲は今でも色褪せることなく、新しい世代にも受け入れられている理由がほんとよく分かった瞬間でもありました。
フェスティバル全体を振り返って
今回のrockin'on Sonicで感じたのは、ロック音楽が持つ時代を超えた普遍的な力。
それを昔から今に至るまで伝えてくれている稀有なメディア「rockin'on」。
そんなrockin'onが主催の洋楽純度100%の冬フェス。
こんな素晴らしい音楽が持つ永遠の力、そして自分自身の心を解き放つ瞬間を「来年の年始も味わえたら最高だな~」と家路につくのでした。
では。