労働問題(2)内部告発前に弁護士に相談する理由

監督官庁に通報をすればよいのでは、とのご質問をいただきました。 私が考えるに(1)要件検討、(2)証拠収集、(3)行政監視、(4)反撃への対応の点から内部告発に弁護士が関与する意味があると考えています。

まず(1)要件検討です。 内部告発=公益通報については、制度上、まず会社内部で通報し、それが難しい場合に行政機関、さらにそれでもダメだと思われれば外部への通報という順番が設けられています。 最初から行政機関に告発をして問題が無いか、検討も必要です。

公益通報者保護法の概要

https://caa.go.jp/policies/policy/consumer_partnerships/whisleblower_protection_system/overview/assets/overview_220614_0001.pdf

次に(2)証拠収集です。 どのような証拠があれば通報対象事実が認定されやすいか、事実認定の能力に長けているのは弁護士です。また、証拠の残し方のアドバイスも得意としています。 これは告発を有効に行うだけではなく、後に名誉毀損などで訴えられたときの守りの観点からも重要です。

そして(3)行政監視です。 残念ながら、本人だけで動いた場合と弁護士が代理人として就いた場合で、行政の対応が異なることは弁護士であれば度々経験することです。 第三者の目が入るだけでも行政の動きが変わってきます。それが弁護士であれば、より効果的です。

最後に(4)反撃への対応です。 場合によっては会社から解雇などの処分、名誉毀損での損害賠償請求などがあり得ます。 そういったことをさせないための対応を考えながら告発を進められることも弁護士代理のメリットです。


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