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犬に感謝するおばさん
おばさんに初めて会ったのは、我が家に初代の犬が来て散歩を始めてからのことでした。
向こうから犬と歩いて来たおばさんに「あらっ、新顔」と声をかけられました。「何ていう犬?名前は?」次々質問されて、犬種と名前を告げて別れました。
後で知りましたが、コーギーを連れている そのおばさんは、散歩で出会う犬全ての犬種と名前を覚えようとして、聞いているんです。
犬に好かれる凄いおじさんのことは以前記事にしましたが、この方に並んで私の尊敬する人です。
二人とも、犬と人間が生活していくこと、お互い歳を取りながら付き合っていくことを教えてくれます。
2代目の我が家の犬と、おばさんの愛犬であるコーギー君は、会う度に臭いを嗅ぎ合います。
ある朝、犬同士が挨拶している時に「柴犬の ももちゃんに会った?」と聞かれました。私は「???」
柴犬は人気が高く、飼っているお宅が多いのです。たまたま、その日は柴犬に会いませんでしたが、会ったとしても、どの子が ももちゃんか私にはわかりません。
柴犬を多頭飼いしているお宅も多いので、思い浮かぶだけでも同じ散歩コースを歩く柴犬が十数頭います。
散歩をしているとすれ違いざまに犬同士が挨拶して、飼い主同士も話をするので、名前を教えてもらうことがありますが、私はすぐに忘れてしまいます。
ところが、おばさんは違います。
病気をしていた ももちゃんが、元気になって散歩を再開しているそうです。
犬種も名前も、犬の変化も知っているんです。
おばさんは見た目も若いし、記憶力が良くて頭の回転も早い。
毎日、話題に事欠かないので、色々な人と立ち止まって話しています。
おばさんが知人と話している所に私たちが散歩で行き会うと、我が家の愛犬の犬種や名前だけでなく、保護犬である背景と、今は幸せな顔になっていると紹介してくれます。
おばさんの犬も、なかなか幸せそうな顔と体形の持ち主なんですよ。
登校する学生が自転車で横を通れば「おはよう」と必ず声をかけます。
聞いてビックリ、おばさんは、もうすぐ80歳。
聞いて納得、若い頃の仕事は小学校の用務員さん。
「犬がいるから、こうして毎日歩くし、色んな人と話をする。犬のお陰だね」
13歳になるコーギー君に毎朝、感謝の言葉をかけています。
おばさんは、一時足を骨折して散歩ができなくなりました。その間は、旦那さんと犬の散歩で会うようになって、私だけでなく散歩仲間の方たちが「お母さんは良くなりました?」と体調を聞いていました。
そんなことは無かったかのように、
今朝も、前と同じスピードで犬と歩いています。
会う度「ずっと、こうして歩いていたいね」と元気な声。
素敵な女性です。