【ネタバレ無】イハナシの魔女クリア感想
評判が良かったので思わず手に取った、夏ゲー
今年もものすごく暑いですね。こう暑いと、家でゲームをするのが捗ります。それでも季節感を感じるために、夏になると、夏っぽいゲームをしたくなってしまいます。そんな中でプレイするゲームとして選んだのが、この「イハナシの魔女」です。
前々から出来がいい!と噂で聞いていたので、確かSteamでセールをしている際に買って積んでおいたものですが、最近Xで「次プレイする夏ゲーはどれが良いか?」と軽い気持ちでアンケートを取ってみたところ、他のいくつかの作品を抑えて一位に輝いたので、思わずプレイしました。
最初はのんびりとプレイしていたのですが、ついついストーリーの先が気になってしまって、だいたい1週間程度、プレイ時間にして15時間くらいでクリアしました。安価な作品でもあるので、所要時間は10時間くらいかな?と漠然と思っていたので、意外とボリュームがありました。
結果的には、ボーイミーツガールもの?
さて、ということで、クリアした感想をネタバレのない範囲で書き記したいと思います。まあ、これは半ば自分の備忘録ですが、お付き合いいただければ嬉しいです。
まず、一言でいうと、美しい物語だったなあ、というのが全体的な印象です。とにかく泣けます。生い立ちから、成功体験というものにある種のトラウマを抱えた主人公「光」と、異国からやってきたと思しき、謎の魔女「リルゥ」を軸に、個性のある(少しアクのある)キャラクターたちで紡がれるストーリーは、終わってみればボーイミーツガールの王道とも言えるものでしたが、とにかく心理描写が丁寧で、短い中でもじっくりと描かれる描写に涙しました。
ミステリアスなメインヒロイン、リルゥのキャラクターの作りや、描き方がとても上手く、ものすごく感情移入させられます。最初は相いれなかった2人が次第に分かり合っていく姿はとても良いものです。
途中読み進めていて、リルゥの生い立ちや背景など、とても辛くなる箇所などあったのですが、最後には私好みの展開になったので、大満足です。
舞台は沖縄、そして魔法。オカルト要素あります。
舞台は沖縄で、魔女が出てくるくらいですから、若干のオカルトがスパイスになっている作品に仕立て上げられています。
沖縄は琉球王国、あるいはそれ以前からの独特の文化がある土地ですし、魔法なんて日常離れしたものが登場しますので、最初は、ついていくのが大変?かとも思ったのですが、序盤はコメディタッチで背景描写が段階的に描かれるので、すんなりと文化を受け入れることができます。このあたりも作りがうまかったですね。
クリア後のおまけで設定についていろいろ見ることができるのですが、とにかく設定がきちんと作ってあるなあと思います。最後の章「リルゥ編」はメインのストーリーで、沖縄文化と魔法文化の話が、想像以上に大きなスケール感で展開されるので、ここで矛盾や違和感を覚えてしまうと、話に入り込めないと思うのですが、この作品はそこが非常に丁寧で、文句はありませんでした。素直にお話を楽しむことができました。
最大の魅力は、キャラクターにあり!
さて、少し先に書きましたが、この作品の最大のポイントはキャラクターにあると思っています。短いお話なので、あまりたくさんは登場しませんが、メインの5人は、いずれも味があって憎めないキャラクターです。最初は敵対的に登場するキャラもいますが、最後には魅力を感じる役割がキチンと与えられています。
(ちなみに、わたしのお気に入りは「金髪縦ロール」の「妃里子」です。設定の通りお嬢様キャラなので、最初はいけ好かない感じに描かれますが、それ故に、後々はその思いの深さに感銘を受けます。この辺のギャップの描き方も巧みでしたね。妃里子編がなく、深く描いてはもらえなかったのは少々残念ではありますが。。)
主人公以外については、ボイスも収録されていますが、演技などには違和感なく、やりとりを楽しく聴くことができました。これも評価ポイントですね。
まとめ
このゲーム、ノベルゲームにはよくあることですが、ストーリーが分岐するような選択肢はありません。完全に一本道の作品です。ですからゲーム性を求める人には完全に向きませんが、感動する王道的なお話を好む人には、かなり刺さる作品だと思います!
本当はもう少し深いところを書きたかったのですが、よく考えると、何を書いてもネタバレになってしまうと思ったので自重しました。この良くまとまったストーリーを是非体験してみてください!