見出し画像

起業はツラいよ日記 #97

先日NHKが以下のニュースを報じた。

昨年一年間の自殺者数は全体では統計を取り始めてから過去最低の水準となったものの、児童・生徒の自殺者数に限っていえば五二七人にものぼり過去最高であると。

このニュースを観て思い出した文章がある。

苦痛や苦悩の表現はときに忌避されることもあるが、「死」だけが非常口になる社会は危うい。まるごと生きられるようにならないと。その人の生の支えになるものが人生の最初から最後までしっかりとあり、生き切ることのイメージができる社会であればいい。

『養生する言葉』(岩川ありさ)群像2024.8月号掲載

この「『死』だけが非常口になる社会は危ういと」いう言葉が広く世の中に伝わって欲しい。子どもだけでなく、もちろん大人もである。

子どもたちが、それこそ「死」しか出口がないと思ってしまう世の中は息苦しくてたまらない。不登校でもいい、学校に通わなくてもいい、”多様性”というどこか他人行儀な言葉だけが社会に氾濫している。しかし、その”多様性”がどれだけ子どもたちの気を和らげているのだろう。大人たちがホッとしているだけではないのか。

大人は大人で精一杯なのは知っている。だが、子どもたちに「死」以外の道を示していけないようでは、本当にこの世は立ち行かなくなってしまう。

生き切ることのイメージができる社会であればいい。

『養生する言葉』(岩川ありさ)群像2024.8月号掲載

"生き切る"という非常に難しい投げかけに社会はどう応答すればよいか。大往生とはいうが、これは単に"長く生きる"ということでもないはずだ。この一刻の猶予もない問題は早く解決が求めらるだろう。とはいえ、以下のような点にも気をつけなければならない。

「希望はその人が見つける」
田村さんと話すなかで印象に残った言葉のひとつだ。自分が希望をあげるといった考えではなく、患者さんのほうから、こんなことがしたいという希望が出てくるようにケアする。何が希望か尋ねないで一生懸命になると、その親切は暴力にすらなりうると田村さんはいう。(※強調は筆者)

『養生する言葉』(岩川ありさ)群像2024.8月号掲載

全てをやってあげる、ということが良いとは限らないことに警鐘が鳴らされる。特に子どもに対してであれば全てをやってあげたくなるが、全て親が(大人が)用意してあげられるわけではない。直ぐに正解が見つかるとも思えないが、状況は待ったなし。

いいなと思ったら応援しよう!