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起業はツラいよ日記 #93

『令和元年の人生ゲーム』(麻布競馬場)を読んだ。

年始に開催されていたブックオフのキャンペーンで500円分の割引券を手に入れたので、絶対に1,000円以上払ってたまるものかと思っていた『令和元年の人生ゲーム』をようやく400円で手に入れた。販売価格はたしか1,250円はしたはずで、それまでに貯めていたブックオフのポイントも全て吐き出しての400円だ。ブックオフって全然安くないよなと、改めて思う。

作家の麻布競馬場氏を年末に放送されたNHKで目にした。相変わらずあの不思議なイラストを顔にぶら下げている。会社員という本業があるからそうしてるんだろうけれど、いつになったら顔を出すのだろうか。顔を出したくないならテレビになんて出なければいいのに、と思ってしまうけれど、彼自身も小説に描くような承認欲求には逆らえないのだと邪な気持ちでみてしまう。

『令和元年の人生ゲーム』にも登場するのだが、わたしも学生時代に似たような学生団体に所属していた。わたしはビジネスコンテストではなく政策立案コンテストだったが、兄弟団体としてビジネスコンテストを運営するチームがあったし、小説に描かれていることで過去の自分を追体験する思いだった。あまり良い思い出もないのでツラい気持ちも呼び起こされたけど。

同書を読んでいる間、「そうか、これが直木賞候補だったのか」と何度も考えてしまう。彼自身がそう言っているように、「これは小説なんだろうか」という考えが何度も脳裏をよぎる。文学とはなんなのだろう。これまで真剣に問うたことのない疑問を最近抱えてしまい、扱いに窮しているこの頃である。

どうにもモヤモヤしていて、まだ読んでいない文芸誌を棚から引っ張り出し、なんとなく『群像』2024年8月号に掲載されていた『うつせみ』(紗倉まな)を読んだ。

紗倉まな氏もAV女優という耳目をひく肩書きを引っ提げて小説を書いている作家だ。しかし、彼女の作品から自分は何を読まされているのか?といった疑念が頭をもたげることはない。むしろ、ツイートにもしたように気持ちの良いものだった気がした。

作品を読んでもいないのにアレコレ言うのは失礼だと思い作品を読むまで何か言うのは避けていたが(そもそもブックオフで買っている時点でわたしは良い読者ではないのだが)、麻布競馬場氏の作品は民放の作る深夜枠の30分ドラマという感じではなかろうか。それかNHKスペシャルなんかに挿入される再現ドラマ。Z世代をその言葉を用いて語るのは彼の作品くらいである。

こういう作品がないと若い人を文学の世界に取り込めないのだろうか。でも、仮に取り込めたとして、この先どうして行くんだろう。直木賞って意味分からんな。

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