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「医学常識はウソだらけ」を読んで
分子生物学、分子栄養学というものを立脚された人。三石氏1901-1997(95歳)色んな人の本を読んでいくと、この1冊の内容だけでも触れられていなかったり、違ったことがかかれたりして、最近勉強始めたばかりの素人としては混乱の嵐ではあるのだけれども。
例えば、超加工食品、遺伝子組み換え食品、放射線照射食品等のリスクなどは触れられていないし、乳製品もそこまで否定していないし、ご自身は糖尿病はあったし、甘い物など特に制限はしてなかった?
それでも時代背景もあるし、ご自身の長寿をみれば凄いことだと思う。何よりこんな以前から動物性より植物性油の過剰摂取の方が危険なことを訴えられているのは驚きを隠せない。
分子栄養学、分子生物学の知識については自分がまだまだだと思うので、細かい真偽がわからないな、というのが正直な感想。ただ、著者が東大理学部物理学科というバチバチの理系なだけあって、「医学常識」を疑って深堀りする思考の工程は、理系的に非常にロジカルに思える。医学の専門家でないけれども、素人ではない。そんな所からの医療の当たり前に切り込んでいく様はとても興味深く読めた。
この本で一番の訴えはビタミン、良質なたんぱく質が大事!とかなのかもしれないけれど、自分的には小難しいことよりもその先の「個体差」「個人差」に重きを置く筆者の伝えたいことの方が深く刺さる気がする。
通常病院では治療がルーチン化、パターン化していて、それもすべてが悪いわけではないんだろうが、当然患者毎に生活背景や置かれている環境が異なって成している。これは持論というか読んでて思ったのだけれども、〇〇が良い、✕✕は避けろ、等もう相反する健康情報が錯綜しすぎて訳わからなくなってるから、もはやすべての生活歴を聞き取って、その人ごとの偏り「何を取りすぎて何を取っていないか」を指摘するだけの栄養指導とかもありなんじゃないかなって思った。その先のゴールはいきなりは100点満点に辿りつけないかもしれないけれど。環境を整えたり第三者視点から自分で気づくそのステップは、省略できない大切な段差なのでは…。
こんな以前から、一般的と言われる常識を疑い、それもただ疑って嫌悪するだけじゃなくて、本当の原因は何なのかを真摯に追及していき、常に自らや周囲への実践で証明していっていたのかという驚きだった。あと、小難しい分子生物論が展開されているのだが案外健康志向にのめり込むべきではないという塩梅もあり、その絶妙な手抜き加減がまた上手だなと思ってしまう。
そして何より人から管理されるのではなく、自らが健康を管理するその自主性を何よりも尊重し、かつ正しい努力となるよう確立されていったのだと思うと、今の令和にも生きる大切な考えだと思える。