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チェンジ!ゲッターロボ!合体ロボの始祖 / おたくGさんの覚書:アニメ編その7

ロボットアニメと言えば、テレビアニメ初の『鉄腕アトム』から始まり、現在に至るまで相当数の作品があり、『機動戦士ガンダム』『新世紀エヴァンゲリオン』など、社会に影響を与えるような名作も存在する。そんな中で、テレビマンガと言われた時代、私がその発想に舌を巻いたと共に感心したのが『ゲッターロボ』だ。

<合体ロボの始まり>

  まずはゲットマシンと言われる3機の飛行機が合体し、ロボットに変形するという。しかも、合体のパターンにより、空・陸・海の3タイプに変化するという発想に唸ったものだ。『ウルトラセブン』のキングジョーは、飛行艇が合体してロボットの形態になったが、単なるパーツの組み合わせであった。従って合体という概念はあったが、『ゲッターロボ』の合体は全く別物で、合体ロボの始祖と言われるのは頷ける。当時にしては画期的なアイデアと言っていい。このアイデアは、『マジンガーZ』『仮面ライダー』で大成功していた東映が、“ロボット”と“変身”を組み合わせたものをと、永井豪のダイナミックプロに企画を依頼したことから生まれている。
 ただ、この画期的な変形合体には難点として、「3機のゲットマシンが合体してこの形状のロボットになるか?」という、構造上かなり無理があった。アニメだから何とでもなるのだが、やはり子供にしても疑問は残る。ところが、アニメと並行して始まった漫画版でこの無理な変形の答えがわかるのである。私も漫画版を見るまでは知ることはなかったのだが。


ゲッター1、ゲッター2、ゲッター3

<ゲッター線の存在>

 ゲッターロボの動力となるエネルギーは、宇宙から無限に注ぐゲッター線で、古代恐竜を絶滅させたのもこのゲッター線であり、このゲッター線を戦闘に利用したゲッタービームは、敵の恐竜帝国には効果絶大だったことがわかる。そしてもう一つ、ゲッターロボはゲッター線技術を応用して開発されたゲッター合金で作られているのだ。とここまではアニメでも説明があるのだが、このゲッター合金が形状記憶型の金属であることが抜けている。つまりゲッター合金は伸縮自由なため、形をいかようにも変えることができ、無理な合体変形を可能にしているのだ。
 ゲッター線は漫画版ゲッターロボでは重要な意味を持ち、重く扱われているのだが、アニメではあまり深い意味を持たせていなかった。ただ、絶大なるエネルギーという意味合い変わらず、恐竜帝国を滅亡させるため、犠牲となったゲッターロボに代わり、ゲッター線重複装置で10倍の力を持ったゲッターロボGを誕生させて、次の敵となる百鬼帝国に臨んでいる。では、ゲッター合金の効果も10倍だから、相当無理な変形になったかというと、むしろ合体方法が合理的になり、リアルな変形となった。ゲッター線ではなく、アニメの企画構成の進歩だろう。
 ちなみにゲッター線はもちろん空想上のエネルギーである。

ゲッターマシンに単独で操縦し、特攻する武蔵


漫画版 最終回

<その後の合体ロボ>

 先に記したゲッターロボとゲッターロボGは切れ目なく話が続いており、コンセプトも同じなので、一括りにして『ゲッターロボ』ということも多い。終了して25年後に『ゲッターロボ號』が始まるが、前作とのつながりはなく、特徴となる要素であるゲッター線の設定もない。従ってゲッター合金もなく、合体変形はよりリアルに理論的になっている。これは番組スポンサーであるバンダイが、玩具の販売を念頭に、より合体変形の完全再現を目指したからだ。
 この流れは『ゲッターロボ』終了後からあり、合体ロボは玩具と連動して企画が立ち上がるようになっていた。当時は複雑な変形は難しかったので、身体のパーツが合体するパターンの『コンバトラーV』『ボルテスV』は人気を博した。この作品は今でも国内外で人気があり、フィリピンでは『ボルテスV』の実写映画が制作され、しかも完成度は高い。
 今や合体変形は複雑になりながら、玩具も完全再現しているのだから大したものだ。これも日本が誇れる文化の一つであろう。


コンバトラーV
ボルテスⅤ(ファイブ)



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