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今観ても怖ぇ~河童の三平妖怪大作戦と怪奇大作戦 /おたくGさんの覚書:特撮編その1

 小学1年生後半の頃、トラウマ級の怖い特撮番組が同時期に2本も放映されていた。『河童の三平 妖怪大作戦』『怪奇大作戦』である。奇しくもどちらもタイトルに“大作戦”という言葉がはいっているが、どちらもそれほどの作戦が展開されているわけではない。
 『ウルトラセブン』の終了に合わせるように、怪獣ブームが終息し、妖怪や不思議が子供の中では流行っていた。『ゲゲゲの鬼太郎』も始まっていたので、まさにドンピシャのタイミングでの登場だった。どちらも子供向けなのだろうが、内容はもはやホラーで、ホラー系の映画や読み物が苦手な私にとって、恐怖心の原点と言ってもよい作品である。
※以下、怖い画像を紹介するので注意。

<河童の三平 妖怪大作戦>

オープニング

 既に放映されていた『ゲゲゲの鬼太郎』も妖怪は出てくるが、アニメということもあり、子供も十分鑑賞できる範囲の怖さだった。そういった流れもあったし、原作者が同じという情報(当時は水木しげるを知らなかった)もあったので、気軽に第1回の放送を観賞したのだが、作品の雰囲気に身体が硬直した。まず、主題歌が流れてから嫌な感じはしていたのだ。曲は童謡「通りゃんせ」をベースにしているようなのだが、そもそも「通りゃんせ」の歌詞も意味深で不気味である。
 
「河童の三平 主題歌」         「通りゃんせ」
ユーラリ ユーラリ ユーラララ     通りゃんせ 通りゃんせ
ユーラリ ユーラリ ユーラララ     ここはどこの細道じゃ
ここはどこの細道じゃ          天神様の細道じゃ
地獄河原ともうします          ちょっと通してくだしゃんせ
クリカラクリカラ 骨つむぎ       ごようのないもの 通しゃせぬ
のろう悪魔の影ゆれる          この子の七つのお祝いに
行きはよいよい 帰りは怖い       お札を納めに参ります
河童の三平 どこへ行く         行きはよいよい 帰りは怖い
                    こわいながらも
                    通りゃんせ 通りゃんせ

第2話 人喰いマンション

 意図的なのだろうが、画もモノクロでおどろおどろしさが増していた。回を重ねるごとに怖くなるのだが、三平と甲羅の六兵衛のコンビが、『仮面の忍者 赤影』の青影と白影ということもあり、意気の合った掛け合いや、河童の国の王女カン子(14話で降板)の存在が作品に明るさを加え、怖さを和らげていたようだ。また、三平が河童の国で身に着けた、河童88手の妖力を駆使して、妖怪に立ち向かうのは痛快でもあったため、怖いながらも最後まで観ることができた。ただ、毎回観た夜は父親が寝る時間まで起きて、くっついて寝なければならなかったが。
 王女カン子が14話で降板したのは、“あまりに馬鹿馬鹿しくて、やっていられない”と勝手に辞めてしまったらしい。当時だからできたのだろうが、子役ながら凄いものだ。

第11話 鬼女の子守歌
第13話 山姥の呪い
第16話 妖怪血染めの蝙蝠
第19話 妖怪村の復讐鬼


<怪奇大作戦>

オープニング

 登場するSRIは「科学調査研究所」、怪奇現象が伴う警察お手上げの事件を、科学的に調査し解決するおじさんの組織だ。『ウルトラQ』『ウルトラマン』『キャプテン・ウルトラ』『ウルトラセブン』と続いてきたウルトラシリーズの後番組で、怪獣もヒーローも超兵器も出てこないが制作は円谷プロである。特撮も派手なものではなく、話の中で科学的に起きる現象をリアルにみせるための特撮に徹していたようだ。ただ、特殊改造された車や、SFっぽい防護服を時たま着ていることがあり、従来の流れを感じさせた。 

SRIのメンバー

 なんだ、今でもよくある科学捜査を主体とした警察ものじゃん。と言われればそうかもしれないが…、いや違う、とにかく怪奇現象がホラーであり震えるほど怖く、直視できなかったのだ。申し訳ないが、リアルタイムでは部分的に2割程度しか観られず、本当に怖い時(ほとんどでした)は最初観ただけで離反したため、まともにストーリーを追えたのはかなり後になってから、高校生で再放送を観た時である。でも、高校生でも怖かった。特撮やメイクなどはかなり発達していたので見た目の怖さは軽減したが、理解力がついたため、心理的描写での怖さが増したのだ。特に後半のエピソードは心理的な恐怖が多い。しかし、各エピソードの怪奇現象や科学技術による殺人を今の特撮技術で描いたら、かなり陰残でグロテスクな描写になるだろう。16話「かまいたち」などは、疾風と共に女性の首や四肢が飛び散りバラバラになってしまうのだから。
 今でも『怪奇大作戦』と聞くだけで“ぶるっと”するし、これを執筆するのも少々勇気がいる始末だった。まさしくトラウマである。
 連想するのだろう、子供の頃から岸田森の顔を見るだけで怖かったなあ。
 
 以下、こんな映像、子供だったら怖いでしょ?

第7話 青い血の女
第9話 散歩する首①
散歩する首②
第6話 吸血地獄

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