2022年に見た映画感想7本(コナン・DB・ソー・ワンピ・すずめ・SD)
新年になった。とりあえずめでたいらしい。その程度に感情が鈍い。
昨年は年明け後まもなくして抑うつ症状が強まり、ほぼ何もできずにいました。
重力の魔法でもかかったように体が重く、何故だか起き上がれない。
息抜きと言えば、朝一で映画に行くくらいで、昼過ぎにはもう帰って寝ている……
朝起きられてるじゃねーかwwwについてですが、
持病があるから、映画に行くなら人の少ない時間でなくては、ならないわけです。
コロナ拡大勢力にこの身を害させまいとする気概が、鬱を凌駕しているだけ。
新年だし気分も新しくなれればなあということで、
昨年見た映画たち(ほぼアニメ)の感想をざざざっと書いて感情をお焚き上げしていきます。
1.名探偵コナン ハロウィンの花嫁
謎ありアクションあり涙ありでメチャよかった。
全ての流れがラストシーンに集約される構成にやられた。
犯人の言動がバレバレに怪しかったけど、ラストの締めが良すぎて全部吹っ飛んだ。
安室さんが出ると金になるが、コナンが添え物っぽくなりがち問題というのが、ありますね。
そこで最初と最後に安室さんを出して、本編はコナンが活躍する構成。これが大正解。
でも最後の締めは安室さんたちの友情物語が全部持っていくから安室ファンも大満足のはず。
構成うますぎか?? ラストの余韻が最高でした。じんわりくる。
あと次回作が黒の組織ものだということで、かなり面白そう。
近年のコナン映画は当たりの傾向が強く(1本はネタ的な意味だけど)、期待大。
2.ドラゴンボール超 スーパーヒーロー
ピッコロさんの良さ全開でメチャよかった。
「今度の主役は悟飯&ピッコロ! 敵はいまさらだけどRR軍です!」
って発表を聞いたときは大丈夫なのかと心配したけど普通に面白い。
あとパンの動きがスゴカワで良い。
あらすじの絶妙なユルさも『超』ならでは。
悟飯が研究に没頭するあまり、パンとまったく遊ばないことを歯がゆく思うピッコロは、
新生RR軍のキナ臭い動きを利用して、パンに悟飯のカッコよさを見せようと企む。
しかし事態は徐々に悪化し、ついには地球の存亡をかけた戦いに発展してゆくのだ。
『超』はこれまで、ジレン、ブロリーと敵側の成長を描いてきたけれど、
今回のガンマ1号2号もその例にもれず、
「偽物が本物のスーパーヒーローになるまで」の話だったのもアツい。新キャラマジで良い。
その有志を意気に評価するピッコロさんは、
ブウ編でビーデル相手にサタンを称えた姿を髣髴とさせて、これがまた良かった。
そのビーデルがピッコロに子守り頼んでるの、なんだか感慨深いよね。
3.マイティ・ソー ラブ&サンダー
バカなのに泣けてメチャよかった。
バカさ全開のサブタイトルがちゃんと作品を総括してるって反則では?
「こう始まったらこう終わるしかないよね」ってビターエンドだったけど、
できうるかぎり良い形で終わったし、
なんかすごいヤバそうな新展開の萌芽もあって満腹感がすごい。
序盤のギャグみたいなやりとりがエピローグの重要な伏線になってたのもやられた。
あのオチで展開の全てに合点がいく。あれもラブでこれもラブ。
ギャグといえばストームブレイカーが復活したムジョルニアに嫉妬しまくるの面白すぎる。
武器が武器に嫉妬ってwww シュール好きはあのネタ必見です。
4.ワンピースFILM RED
今しかできない新境地の映像がまさに新時代でメチャよかった。
豪快で力強い楽曲が爆音で次々と流れ、
ウタウタの実による迫力美麗映像が迫るなか、一味の必殺技が乱れ飛ぶ!
ライブ会場さながらの臨場感と興奮で、劇場でなかったら踊り出してただろうな。
でも、今この時に映画館で鑑賞することが、
作品のポテンシャルを最大限に引き出せるように作られてる。
残念ながら公開が終わってしまえば、作品の全力にはもう出会えないと思う。
音楽と映像が融合したミュージカル風少年漫画を(真面目に)やったのはこれが初だし、
それぞれの迫力と臨場感は劇場でこそフルパワーで輝く。
そして流行と世相を写しとるウタという主役の存在は、
まさに時代を背負う気概のある作品だった。今しかない。
まさかワンピースで世を憂いてメンヘラが心中する話をやるとは、誰が思ったか。
シャンクスの娘でルフィの幼馴染が、独自のやり方で世界を救おうとする。
覚悟と気概を乗せた楽曲を次々と放ち、ウタはただ一人世界に立ち向かう。
そんなウタを救わんとするルフィとシャンクスが、ウタの能力を介して禁断の共闘。
まいった。こりゃあ原作じゃあできないわ。映画だからこそできるストーリー。
こういうやり方があるんだ。これこそ、少年漫画というエンターテイメントの、新時代だ。
5.すずめの戸締り
強く優しい祝福のロードムービーでメチャよかった。
緊急地震速報が多いと聞いてはいたけど、冒頭の丘に乗り上げた船にドキリとした。
まさかここまで直線的に、あの日の話なのかと。
しかし舞台は九州で、地震の起きた地を巡っていくけれど、終点は東京。
さすがに東北にはいかないかと思っていたところ、事態は急展開。
すずめのヒーロー気質は、死生観が狂っていただけだと明かされる。
原因はあの日、3月11日。
希望を取り戻すため、自分の人生を生きるため、
すずめは自らの意志で自身のルーツ、東北へ向かう。
アツい、そして切ない。
戸締りの儀式のとき、その場に会った生活を思い描いて声を聴くという設定が、ここで聞いてくる。
ああ、これは祝福の話だ。
死者を悼み、生を貴び、過去も未来もありとあらゆる人間の営みを祝福している。
すずめの叔母さんが本音を漏らすシーンは若干浮いて感じたけど、
3.11で変わってしまった人生の一つにああいうケースは必ずあったはずで、
入れないわけにはいかなかったんだろうな。
丁寧に向き合って、丸ごと祝福する覚悟を感じた。
最終的に自分で自分を救うオチもよかった。嘘がなくて。
それでいて、その日が来るまではストーリーに逃げてもいいという姿勢は流石だ。
ああ、これが現状アニメーションの王のなせる業かと思った。
7.THE FIRST SLAM DUNK
正体不明の巨大感情に打ちのめされるくらいよかった。
確かにスラムダンクなんだけど全く新しい。未読者も楽しめる内容。
僕はリバイバル物に関して、「今再びこれをやる意義は何なのか」を考えがちなんだけれど、
映像とストーリーの両面でバシッと模範解答を出している。
CGアニメや声優・スタッフの一新は批判も多かったけど、多くの人は観れば納得するだろう。
モーションキャプチャーを使えるから試合の動きの臨場感が違うし、
あくまでアニメであるから、スピード感や迫力は場面に応じてメリハリをつけられる。
カメラアングルも表情のアップも自由自在。
最新技術でファン待望の山王戦が、後半丸々映像化。
カットされたシーンややり取りは結構あるし、
これまでを描けない分、キャラクターの魅力や台詞の重みは十分に表現しきれてはいない。
そのぶん新たな視点である
「宮城リョータは、何を思ってあの試合に臨んでいたか」を全力で描き切っている。
原作の宮城は心の深いところを見せるところがなかったから、
原作既読者も未読者も同じラインでストーリーを追っていける。
それでいて、ファンならば絶対に気になるポイントでもある。
原作の試合は最新技術で魅せ、原作の空白は新作のストーリーで埋める。
この切り口は名采配だ。確かに雰囲気は全く変わっているけれど、これはこれで、俄然アリ。
試合の迫力もすごかったけど、宮城のストーリーが、
結構重いんだけど、これがまた、よかった。本当に良かった。
こういう重い話が少年漫画の文脈に来るの、割と最近の傾向だし、今ようやく描ける話だった。
逆境の中で精一杯、踏ん張って再起していく宮城の姿、涙なしには見られない。要チェックや!
総括
どの映画もそれぞれのメタ的な懸念事項に対して、ぐうの音も出ない大正解をドンッと提示してきてすごかった。造りが上手い。そして丁寧。満足感が違う。
2022年は映画の当たり年だった。まあ見たのはほぼアニメだけど。
小学館とフジサンケイグループはコロナ拡大勢力だけど関連作を褒めていいのか問題については、確かに小学館とフジサンケイグループはデマと詭弁で金のために僕ら高リスク層を殺そうと画策してきたけれど、作品に罪はないのでオーケーです。ここでこうしてデマの話はするわけだしね。