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内なる生命が「もゆる」アート~個展"Art my soul"~

銀座で開催中のMoyuさんの個展"Art my soul"にお邪魔しました。

1時間くらいという短い時間でしたが、もゆさんの作品を見て、もゆさんと対話をしていると、インスピレーションがめちゃめちゃ生まれましたので、本人の事前承認を取らず、勝手に感想をまとめます。

【Art my soul概要】
会期:2020年12月10日(木)〜12月13日(日)
場所:銀座 Space TGC
http://www.spacetgc.com/
東京都中央区銀座7-7-4本店浜作ビル地下1階
最寄駅:東京メトロ「銀座駅」A1.A2出口より徒歩5分

詳細(facebook) https://fb.me/e/1EOEJcG0Q

個展開催にあたっての、もゆさんのnoteはこちら。

会場の様子

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1.心の動きは、こうも複雑なのか

今回の作品は、それぞれもゆさんが自ら自分自身と向き合い、「自分の人生って?」「自分らしさって何?」と常に問いながら描いたものだそうです。

特に最初のEpisode1は、もゆさんもnoteに書いてあるように、ありのままの自分を認めて欲しいと思いつつも、周りと比較し、足りないものにばかり目がいってしまう、そんな心の動きが表されています。

それなのになぜか、
どんなに努力しても、どんなに頑張っても、
私であることに満たされることはなかった。
私ではない何者かになろうとし続けることはさみしかった。

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特に、私がその場から離れがたくなった作品「往来/all right」。

まっすぐな直線が画面を分断しつつ、その分断された空間を、太く波打った渦がうごめいている。

この直線は、分断された世界を表すそうです。他人と自分、他人に見せる自分、自分の中だけに隠している自分……

この絵の中に散りばめられた色やモチーフから、自分の心の状態は今どんな形なんだろう……渦巻いているのか、パラパラしているのか。はたまた、静かなのか……。そんな心の複雑な動きについて、無意識に向き合わざるをえなくなるような作品です。

いろんな心の状態を往来しながらも、「でも、それでいい」と最後はall rightしてくれる。その優しさが、画面全体を覆う淡い彩度の色に現れているように感じます。

2.くすんだ色から生まれる、生命のエネルギー

Episode2は、アート合宿中に描いた作品とのこと。

Episode1と異なり、ここではグレーががった、もやっとした暗めの色使いが特徴。

明るくて綺麗な色ばかり使うことに、明るくてポジティブな自分しか見せない私自身に嘘っぽさや苛立ちを抱き始めた。
でも、どんな風にくすんだ色を作ればいいのか分からなかったし、くすんだ色を使ったら暗い印象の作品になってしまいそうで怖かった。

あえて「暗い」、くすんだ色を使うことに挑戦したもゆさん。

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しかし、くすんだ色がベースにありつつも、悩み、向き合いきった先に生まれる、萌芽するエネルギーが、ピンクや緑から感じられます。

悩んでいるうちは、暗く、思い、黒というよりグレーな、くすんだ色合いに包まれる。

しかし、悩み抜いたからこそ、生まれるエネルギーがある。

3.悩み抜いた先の、しずけさ

Episode3は、「じぶん」と向き合いぬいた先に訪れた、もゆさんのしずけさを現しているような、Episode1や2とも異なる統合が表現されています。

冬を越え少しずつ雪が解けていくように、
対立していたそれぞれの私の輪郭が曖昧になり、すとんと「どれも私だ」と。
対立、分断を経て統合を迎える。

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Episode1や2にあった、モチーフや線といった表現は薄くなり、画面一体に色塗り重ねられ、統合されています。

色のトーンは統一され、しかし少しずつ違う色が、画面一体に統合し、すこしずつ変化していく。

遠くから眺めると、色がどんどん統合されていくことが分かります。。モネの晩年の睡蓮を思い出すようなイメージでした。

4.色が輝き、自由に遊びだす

出口のないトンネルを彷徨っているようで、
さびしくて、つらくて、苦しかった自分を知るというプロセスを経て、
私が私のままで可能性を芽吹かせ花咲かせる場所を見つけ出すことができた。

自分の場所を見つけだしたもゆさん。ここではよりカラフルでポップな色使いの作品が増えています。

その描き方にも特徴があるそうですよ。詳しくは会場で!

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この作品も、バックが黒という一見暗めな色彩でありつつも、その上に散りばめられた彩度が高い黄色、ピンク、黄緑、水色、白・・・そして左上から流れる銀色。溢れでる楽しさが感じられます。

バックが黒だからこそ、彩度の高い色が輝く。これが白バックであればここまで元気さは表されなかったと思います。

5.透明で鮮やかな黒

「透明で鮮やかな黒」ってなに??そんなものあるの??

しかし、もゆさんの個展を順番にじっくりと見ていくと・・・不思議なことに、黒が鮮やかに見えるんです。

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特にこの作品。

不思議に思ったので、「なんで、黒が鮮やかに見えるんでしょう?」ともゆさんに聞くと、「Episode2では、黒に白とか他の色を混ぜていたんです。でも、このEpisode5では、混ぜていません。黒そのものなんです」との返答。

なるほど、混ざっていないのか!!

それは、自分自身と向き合い、葛藤し、対立し、統合されたのちに生まれた、純度の高い黒

黒だけど、透明に見える。鮮やかに見える。それは、他の色が混ざっていないから。

明るい色も、暗い色も、濁った色も、鮮やかな色も。

色んな色がある自分をそのままに受けいれ、悩み、そして自分らしい色を見つけることができれば、鮮やかに輝くことができる。

そうか、もゆさんの絵が力強く人を引きつける理由は、絵を見ることで自らの心を揺らし、葛藤を生み、統合を生み出した後、そして純度の高い、新たな自分の色を見つけることができるからだ。

そう考えて、一人で納得していました。

「内なる声に耳を傾け、溢れ出る想いを形にするプロセスに伴走するコーチ」であるもゆさん。

アートで生み出す対話から、限りない生命のエネルギーを感じた個展でした。

最後に、もゆさんと「アートとその作家と語り合うことができるカフェ」や「アートコーチングでチーム力向上」なんてあったらおもしろそう、という話で盛り上がりました。

アートで対話をしたい人、アートから何かを感じたい人、ぜひ銀座へ!!

そして、私も個展がしたくなりました!!!やるなら写真かな。

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