中古容器の不正疑惑について規制庁に質問~50年貯蔵キャスク

青森県むつ市にある中間貯蔵施設に、新潟県柏崎刈羽原発で出た核のゴミが運び込まれ、9月中旬に最後の検査を受け事業が開始される予定です。

核のゴミを入れる容器を製造した日本製鋼所JSWでは、データ改ざん・ねつ造・虚偽記載等の不正が内部告発されました。JSWの原子力製品はフランスにも輸出されていたため、現在もフランス当局の検査が続いています。

今回使用される容器HDP-69B 1号機(日立GE)は、14年前に製造された中古容器で、それよりも最近製造された6基のタイプ2容器はなぜか、2024年2月に承認が削除されました。

8月7日に、この不正疑惑・中古キャスク問題について、容器を承認した原子力規制庁と懇談をしました。

Q: JSWの不正は2022年2月に内部告発されましたが、規制庁はJSWの不正をいつ、どのように知りましたか?

答は、以下のような内容でした。
・2022年5月に報道、その後のホームページで知った。
・2024/7/9の面談資料以外には、記録はない。
・日立GEとRFSから報告は受けていない。

Q: 不正を行った会社が製造した容器ではあるが、原子力事業者である日立GEとRFSは、安全を確認した地説明していますが、いつ、どのように安全を確認したと規制庁に伝えたのですか?

答は、「2023年に検査に行ったときに口頭で安全を確認した。」そうです。

つまり、県民が県民説明会で「容器製造者のJSWは不正を行っている」「今回使用される容器は14年前にJSWで製造された」ことを指摘するまで、JSWの不正についても、疑惑のある容器の安全確認についても、規制庁は何もせず、記録もしていなかったことがわかりました。

フランスの原子力当局は独自の調査を行い今も検査を継続したいますが、日本の規制庁は全く動かず、不正発覚後の安全確認も事業者任せで記録も残っていません。

どう考えても、おかしな対応です。
・事業者も製造者も不正が明らかになった後も、規制庁に報告もしていない。
・規制庁も質問もしてこなかった。
・県民が質問したので、隠しきれず7月9日に初めて規制庁に文書を出した。

推測ですが「JSWは規制庁に、うちうちに相談したが記録、公開しない判断をした」と考えると理解できそうです。