背馬俳句 2022/4/6〜4/8
🔹4/6
1. 鳥風にゴミ回収車音ひびく
2. 鳥風にキリンの首は動かざる
3. 清明やもう少しで成る我が願い
4. 抽斗にありがちな言葉しかない
🔹4/7
1. 花筏崩し渡るや作業船
2. 運河には光差し込み花筏
3. 弁当のガラにのこっていた春愁
4. 花と葉の混ざりて光るさくらかな
5. 菜の花にバターの溶けた黄金色
6. 噴水の水は運河に流れけり
7. 自販機の奥には春の海がある
8. 初蝶の止まりし石に日の当たり
🔹4/8
1. 忘れ霜なんだかさみしげな枕
2. 朽ちてゆく椿と咲き誇る椿
3. 春眠し釣り人起こす魚かな
4. 鶯をかき消す貨物列車かな
5. 一年生であふれる食堂けふ虚子忌
6. 蒲公英に巨人の如き我の足
7. うららかに川底掘ってゆく重機
8. 流れない花の筏もあるものや
9. 花まつり千人つかに手を合わす
10. 夜半の春珈琲を飲み本を読む
11. 春風を年には勝てぬ我が心
12. 鳥風や弔う人の多かりき
13. 春風やワクチン接種券は来ぬ
自選
6名の4
7日の7
8日の9
大阪の都島区の淀川から大川に至る土手に与謝蕪村の生誕の地の碑がある。
与謝蕪村は私が敬愛している俳人。
とはいえ、ずっと大阪に住みながら初めてここを訪れた。
とても感慨深かった。
私以外にも2人この碑やその周りを撮影したりしていた。
句碑は"春風や堤長うして家遠し"
やはりこれですよね。という句になっていた。
望郷の念を感じるこの句に私も共感が絶えない。
もう歳だなとも感じた。
ノスタルジーに弱いのだ。
世界中の全ての人それぞれに故郷がある。
それを踏み躙るのはよくない。
とも思った。
背馬拝