🔸1/16 1. 仰向けで睨み効かせし炬燵猫 2. サイレンの中初雪の降って来し 3. しぐるるや古墳の上の開く花 4. 冬の日の溜まりて光る茅渟の海 🔸1/17 1. 底冷えの地下で拾いしクレカかな 2. 底冷えの街で踊るや酔っぱらい 【阪神淡路震災忌】 3. 底冷えの街に祈りは絶えぬもの 4. 冷えし顔も眼差し熱く空を見る 5. 国土揺れそれでも人は立ち上がる 6. 豚足を煮て過ぎ去りし小正月 🔸1/18 1. チラついた雪に一気に辛くなる 2. 冬の雨一日事務
🔸1/13 なし 🔸1/14 1. アスファルト色した冬の犬なりき 2. 受験生皆俯いてビルに入り 3. 落葉くるくる回り喜んでおる 4. 稜線の枯木や空を透かしおり 【日曜句会】 5. 迷いたる受験の子らを導きぬ 6. 煮凝りや昨日の夜の残りもの 🔸1/15 なし 自選 14日の1 数日前ではあるけど、 この頃は非常に仕事が忙しかった。 背馬拝
🔸1/10 1. 猿回しするは猿か人間か 2. 蝋梅や祖父の愛した歌手の逝く 3. 蝋梅に希望のひかりめく朝日 4. 山茶花の散りたる中に蕾あり 🔸1/11 1. 鍋焼きや寝巻きのままで食す朝 2. 冬凪のコートにボール跳ねし音 🔸1/12 1. 冬の月眺め落ち着かせておりぬ 2. 朝起きて煮凝りに火を点しけり 自選 10日の2、4 一月も後半戦になってしまった。 石川県の人々が心地よく寝られる環境に早くなります様に。 背馬拝
🔹1/7 1. 人日やピカチュウ着ぐるみを着たる 2. 朝ひとりコーヒー淹れる寒の入り 3. 小寒の雨突然に降りにけり 4. 耳の奥の痒み取れずに寒に入る 5. 遠火事や淋しさに火を点けたのか 6. 毛布いらぬ仮眠の間止まぬベル 7. 壁の向こうから雲湧きあがる冬雲 🔹1/8 1. 駅地下のマクドに成人式の群れ 2. 最果ての駅のようなる寒さかな 3. 梅一輪しずかに開くなゐのあと 4. 苦しんだ後に曲りし冬木かな 🔹1/9 1. 餅間や我が家は三日からずっと 自
🔹1/4 1. 葉牡丹の渦や何にも湧いて来ず 🔹1/5 1. 伊勢海老を包みし仕事より帰る 2. ああ言えばこう言う記者と双六す 3. 伊勢海老を剥く独り言いいながら 4. 地下街に満開に咲く梅なりき 5. 木枯しの中やさみしき猫の声 🔹1/6 なし 自選 4日の1 5日の3 宜しくお願いします。 葉牡丹って食べれそうですよね。 背馬拝
🔹1/1 1. 冬の日のあたたかなりし交差点 2. 元日やいつものように珈琲を 3. 毛布膝に掛けていた頃の地震です 🔹1/2 1. 子どもらを連れて元町嫁が君 2. 北陸の無事を祈りし二日かな 3. 二日いまわたしはなぜに生きておる 4. 焼芋を羨ましげに眺めたる 5. 根本から掘り起こされし冬木かな 6. 肉とパン貪っておる二日かな 7. 二日はや悪意満ちたるSNS 🔹1/3 1. 三日はやカレーを食べに街に出る 2. 双六やわが人生に似ておりぬ 3. 初夢も不
新年明けましておめでとう御座います。 2024年となりました。 2023年は5月に新型コロナウィルスが、 5類に引き下げとなり、 それからはあっという間に、 元の生活が戻ってきたと思います。 もうすでに、 あの時のことを忘れてしまっている。 そんな自分がいます。 そのような一年で、 私が詠んだ俳句から、 三十句を自選しました。 今回は、4か月ごとに十句を選びました。 1月〜4月、5月〜8月、9月〜12月。 お楽しみいただければ幸いです。 宜しくお願いします。 🔹1月〜4
🔸12/29 1. 回転焼の通じぬ土地に来たりけり 2. その地位を御座候に奪われし 3. 年の暮悪意の塊をもらう 4. ノリという恐るべきもの御座候 🔸12/30 1. 行く年を振り返ることなく走れ 2. ゆつくりと珈琲を淹れ年惜しむ 3. 年惜しむ左フックは脇腹へ 4. 恐るべき枯木や恐るべき太さ 5. 年の瀬の不自由までも楽しめり 6. 眠るのも一苦労にて年暮るる 7. 歳末に殺されてゆく人のこと 🔸12/31 1. 室内灯点けてはじまる大晦日 2. 珈琲の上
🔸12/26 1. ペチカをば壊されることなきロシア 2. この俺にどうする術もなき聖夜 3. 角膜のズキズキ痛む聖夜かな 4. 白鳥を数えし途中忘れたる 5. クリスマス壁越しに聞く痴話喧嘩 6. 白息になりし言葉を求めたる 7. 冬夜いま踵にワセリンを塗りぬ 8. 晩飯にありつけぬまま包まる毛布 9. 腹減っておる冬星に手を伸ばし 🔸12/27 1. 寒月をゆつくり眺め帰るかな 2. 山健の事務所の上の冬の月 3. 真っ直ぐな道その上に寒満月 4. 冬の木の根本に知
🔹12/23 1. 八階へ歩いて登る冬至かな 2. 太陽は隠せぬものよ冬木立 3. 冬至また来たりて人の動き出す 4. 冬至すら感じぬ場所で過ごしたる 🔹12/24 1. イブの日のマクドナルドで潰す暇 2. イブの日の裏垢女子よ消えてくれ 3. 神道と仏教混ざるクリスマス 4. 山茶花や人の世界に似ておりぬ 【日曜句会】 5. パセリ美し寒風に色褪せし街 6. 若かりし父の帰宅やクリスマス 7. クリスマス皆デパートに入り行く 🔹12/25 1. 風の吹く方へ傾く
🔸12/20 1. 駅に立つどこかで咳の聞こえたる 2. 冬の日の当たりし方へ並びたる 3. 咳をする人に関心無き車内 4. 歳末のずっと乱れておるダイヤ 🔸12/21 1. 冬日にわかに曇り足を早めけり 2. 年々と寂しくなりぬ社会鍋 3. おでん食う老若男女店に居り 🔸12/22 1. 人間が作った世界いま冬至 2. カピパラの顔に癒されたき冬至 3. 気がつけばみんな俺より若い冬至 自選 20日の1 21日の1 22日の2 急激に寒くなった。 風邪などもそ
🔸12/17 1. 冬帝の来たりて窓を揺らしけり 2. 冬将軍まずは目覚めのコーヒーを 【日曜句会】 3. 石蕗は誰も傷つけたく無かろう 4. 冬の星言葉を飲み込んで生きる 5. 冬帝は承認欲求オバケかな 🔸12/18 1. コート着て走って転けてしまう朝 🔸12/19 1. 冬の朝煙草を吸ってするゲーム 2. タラちゃんのモデルは鱈で合うてるか 3. 塵積もる造花なりけり冬真昼 4. 外套の襟に頭を埋めゆく 5. 歳末や人とぶつかること多し 6. 一瞬でダウンジャケ
🔸12/14 1. 冬の星見上げこの辛さは何だ 2. ヒトヒトリ気づかれず死す冬の星 3. 冬銀河見たいな国道一号線 4. 寝れないという夜のあり冬銀河 5. 冬星や私は何処で間違えた 6. 大根を抜きドバドバとなにか出る 7. 義士の日の空痛かりき夜勤明け 8. 冬空に曲がりくねった雲の道 🔸12/15 1. 夢に鮫出てきて夢占いせり 2. ひと知れず背後を鮫に取られしや 3. テント出れば冬銀河の支配なり 4. 裏金の証拠を鮫に食わせたる 5. レノン忌の夜中に非常
🔸12/11 1. FMを付けて始まる冬の部屋 2. 小春日に服装間違えてしまう 🔸12/12 1. 膝掛けと老眼鏡を掛けるとは 2. 着ぶくれておるわたくしを愛すべし 3. 膝掛けを掛けて読書のなお続く 4. 冬日まぶしく夜勤明けの地下街 5. 着ぶくれているのが本当の俺だ 🔸12/13 なし 自選 11日の2 12日の5 宜しくお願いします。 背馬拝
🔸12/8 1. 着ぶくれの人が僕より痩せており 2. いつからかお洒落を忘れ着ぶくれし 3. 着ぶくれてなんと平和な町だろう 🔸12/9 1. ペットボトルぐしゃりと潰す漱石忌 2. 見下しておるのは皇帝ダリアかな 3. 牡蠣を剥く間も愚痴を放つ口 🔸12/10 1. 造花かと触れてはポインセチアかな 2. ポインセチア並ぶよマクドナルドにも 【日曜句会】 3. 着ぶくれのカップル佇みし波止場 4. 聖樹まで光りてひとを楽しませ 5. 鳩尾の痛み月光部屋に入り
🔸12/5 1. 冬の田といえども人の働けり 2. 冬田には雀集まるお昼時 3. 冬田一枚座布団のごとく地に 4. 冬田にて呟きしこと忘れたる 5. 幸せと呟いて食う冬夜かな 🔸12/6 1. 暁のナイフで乾鮭を削ぎし 🔸12/7 1. 大雪と知る明け方のマックにて 2. 新巻きをちびりちびりと削いでゆく 3. 大雪や左も右も大嫌い 4. 言い掛かり受けて世間は大雪に 5. 大雪の私にも死の忍び寄り 自選 5日の5 7日の1 12月といえど暖かい日が続く。 今年