SEVENTEENが世界が終わるときに大切にしたいものは?終末世界でも、開き直って楽しむ強さを教えてくれる【日本ベストアルバム収録曲「今-明日 世界が終わっても-」レビュー】
8月23日に日本ベストアルバム「ALWAYS YOURS」が発売された。
今回のアルバムは、新曲が2曲収録されている。そのうちのひとつが「今-明日 世界が終わっても-」だ。
終末世界での物語だということが発売前からわかっていたので、ウォーキングデッドやインデペンデンス・デイなどアポカリプス(世界の終末)が大好きな筆者はワクワクしていた。
終末世界だからこそ見える、人間の醜さや争いが非日常的で面白いからだ。
でも、SEVENTEENが見せてくれる終末世界は全然違った。キラキラして青春映画を見ているようだ。
イントロからエンディングまで、自転車で走り抜けたくなるような爽快感のある一曲だ。
SEVENTEENは開き直っている
MVでは終末世界を過ごすメンバーたちが描かれているが、世界の終わりで、むしろ開き直って楽しんでいる様子がとても印象に残った。
確かにSEVENTEENは開き直っているアイドルだ、と筆者は考える。
「開き直る」には「覚悟を決めて堂々とした態度をとる」という良い意味があるそうだ。
長年K-POPアイドルを見てきた筆者は、アイドルと所属事務所の関係には根深いものがあると感じている。
事務所の方針や経営に巻き込まれるアイドルだって少なくないが、SEVENTEENからはメンバー>会社というハッキリとした意思を感じる。
過去のインタビューでも、リーダーのエスクプスが「会社よりメンバーを優先する」と言い切っていたことも、覚えている。
そんなSEVENTEENだから、終末世界でも覚悟を決めて13人で楽しく過ごしている姿はCARATにとっては解釈一致!という感じだ。
MVのサムネイルだけでもそれが伝わり、グッと来てしまうが、開き直ったSEVENTEENはやっぱり最高だと思った。
世界が終わっても大切にしたいのは「今」
アイドルとファンの関係は、刹那的な存在だと筆者は考えている。
アイドルは、一生激しく歌って踊り続けることは人間の機能的に不可能だろうし、ファンだって同じだ。
「推しは推せるときに推せ」という言葉があるが、誰だって明日どうなるかわからないし、アイドルもファンも「今」が大事なんだということを再確認した。
特に、K-POPの男性アイドルを推しているファンには、兵役という大きな壁がある。
韓国国籍の男性には、満20歳~28歳の誕生日を迎える年までに入隊しなくてはいけないという義務がある理、2021年にいわゆる「BTS兵役法」により、国家への貢献度が高いと判断された人材は入隊を満30歳まで遅らせることができるようになった。
SEVENTEENの最年長メンバー、エスクプスとジョンハンは、2023年で28歳になる。
どこまで延期できるのかはわからないが、入隊が近づいていること、すなわちSEVENTEENが13人の完全体で見られる期間は短いということは明白だ。
そんなSEVENTEENが「今」を大切にしたいということにどれだけの意味があるだろうか。
楽曲制作者のウジは、「CARATとの”今”を大切にしたい」という気持ちを込めており、「この世に最後の日が来ても、君のために最後のダンスを踊ろう。大切な瞬間は今だ」というメッセージを込めている、ということを語っている。
SEVENTEENの日本ツアーが今月から始まるが、エスクプスとジョンハンが入隊するまで、あと何回ステージを観れるだろうかと考えると、胸が苦しい。
しかし、ここからの活動に参加するたびに「今」を噛み締めて大事にしていこう、と強く心に刻んだ。