INTER BEE BORDERLESSアーカイブ動画で各セッションを解説する・その3
Inter BEEで私が担当したBORDERLESSのセッションを紹介する最後の記事。アーカイブ公開が今週金曜日、13日までなので急ぎ紹介する。
Netflix日本コンテンツはなぜヒットしたか
BORDERLESSとして初めて、Netflixの方に登壇してもらったセッション。今年、「地面師たち」などヒットを連発したプロデューサー、高橋信一氏をゲストに迎え、すっかりエンタメ評論家になった徳力基彦氏に質問してもらう企画。コーディネートした長谷川朋子氏がモデレーターを務めた。
セッションの中で高橋氏がこんな方針を語る。
ローカルファーストで作品を国内に届ける
今まで見たことないストーリーをクリエイターと紡ぐ
クリエイティブが発揮される撮影現場
Netflixについてカネにものを言わせてドラマを作るとか、クリエイターをカネの力で囲い込むという言い方をする傾向がある。いいコンテンツに予算は重要な要素だが、予算が潤沢ならいいものができるわけではない。上のような理念こそが重要なのだ。ぜひアーカイブを見て、そのあたりを感じ取ってもらいたい。
生成AIの最新事例とリスクを学ぶ
このセッションでは、過去にここで取材した生成AIの活用事例をお持ちのお二方に加えて、そのリスクに詳しい弁護士、澤田将史氏が登壇。最新事例とリスクについて同時に学ぶ欲張りな企画だ。
話題が多岐にわたるセッションの進行をテレビ朝日アナウンサー、平石直之氏にお願いしたところ、同氏がレギュラーで出演するAbema Primeでの生成AI活用事例の紹介もしてくれた。
盛りだくさんだが、90分で生成AIについて一通り学んでもらえる。
最先端の話題「個人メディア化」に聴講者殺到
まだ集計を聞いたわけではないが、私が見たところ今年のBORDERLESS会場セッションで2番目に聴講者が多かったのが「個人メディア化が加速する時代にどう向き合うのか」。正直このセッションは実験枠と個人的には見ていたので驚いた。聴講者の中身はまだわからないが、若い人が多かったように思う。
「個人メディア化」とは、ネットの情報空間においては組織ジャーナリズムより個人が運営するメディアの影響力が高まっていることが第一義。ReHacQもそうだし、情報インフルエンサーと呼ばれるXアカウントもある。
そして逆に、既存の大手メディアに所属する記者やキャスターも、個人の名前による情報発信で影響力を高めている人もいる。この現在進行形のテーマについて、日本テレビから大学教授に転じた小西美穂氏、AbemaPrimeのプロデューサー郭晃彰氏、そしてまさに個人が社会問題を面白くリポートするライスメディアを運営する廣瀬智之氏が登壇。セッションを企画した日本テレビの三日月儀雄氏がモデレーターを務めた。
非常に興味深いディスカッションとなったのでぜひ見てもらいたい。
日本におけるFASTの可能性を議論
最後に紹介するのはFAST。BBM社が日本でFASTサービスを開始したことは前に記事にした。
BBMのFASTは独特のやり方で、パートナー企業とともに運営する。このセッションでは、BBMの福﨑伸也氏とともにパートナーの一社である大阪ガスの棚倉悠平氏も登壇。TBSの高澤宏昌氏のモデレーションで、BBMのサービスの概要と、大阪ガスがなぜFASTに取り組んでいるかをお聞きしている。
FASTについては2年前から私も何度も取り上げてきたし、BORDERLESSでもセッションを通じて紹介してきた。その具体がようやく登場したことで、FASTが何か、また日本での可能性がわかるようになったと思う。ぜひアーカイブでそのあたりを学びとってもらえれば。
Inter BEEではBORDERLESSに限らずたくさんのセッションをアーカイブ動画で聴講できる。見逃した方、行きそびれた方はチェックしてみるといいと思う。このページに並んでいるものは視聴可能だ。↓
・12月19日勉強会+忘年会のお知らせ
今月19日は、リアル勉強会として2024年10大ニュースの投票結果を発表し、その後簡単な忘年会を開催する。会員以外の方でも参加いただけるので、ご連絡を。
sakai@oszero.jp
会員の皆さんには、詳細は以下です。10大ニュースもぜひ投票を!
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