NHKの受信料運営はもはや時間の問題で行き詰まる
※トップ画像はImage Creatorに「テレビ放送による公共メディアは危機に瀕している」と入力して生成されたもの
4年間で1000億円も支出を削減する無謀なNHK経営計画
4月5日に東洋経済オンラインにこの記事を書いた。
内容をできるだけ簡単に書くと、NHKの24〜26年度の経営計画では4年間で1000億円も支出を削減するとあり、3年間赤字が続いて27年度にようやく均衡する。受信料が減少するからで、その後も縮小が続くから受信料制度を考え直す時だ、という記事だ。
実際にNHKの経営計画にはこんな収支計画が書かれている。
計画期間中毎年赤字とは、上場企業なら株主総会でヤジが飛びそうな計画だ。受信料が今後下がり続けるからだが、27年度に収支均衡になったとしてもその後も収入ダウンが続くので、延々支出削減を続けることになる。
27年度の先のことには一切触れておらずなんとも無責任に思える。NHKの会長が外から来て3年ごとに交替する今のやり方では無責任が許されるようなもので、そんなやり方から見直さないと近い将来に行き詰まるのは目に見えている。
私が指摘するまでもなく誰でも気づくことを放置しており、いかに今のNHKが無責任に時をやり過ごしているかがわかるというものだ。
事業収支と会長の任期期間を見てみると
そもそも、NHKの受信料は少し前から下がり続けてきた。それなのに、23年度に1割という大きな受信料値下げを行った。それが受信料制度の寿命を縮めてしまったのだ。
その責任がどこにあるか、NHKの収支実績+予算と、会長の任期を並べてみれば何かが見えてくる。
NHKの会長は3年ごとの12月に次期人事が発表され、翌年1月に交替する。この10年間は以下のように代わってきた。
籾井勝人氏 2014年1月〜2017年1月
上田良一氏 2017年1月〜2020年1月
前田晃伸氏 2020年1月〜2023年1月
稲葉延雄氏 2023年1月〜
それぞれ会長は、就任初年度に次期経営計画を策定し、翌年度から実施される。籾井氏は2015-2017年度、上田氏は2018−2020年度、前田氏は2021-2023年度、そして稲葉氏は今回2024-2026年度経営計画を発表した。
一方事業収支は収入が2018年度、2019年度までは伸びていたがそこが天井。2020年度以降ははっきりと下がり始めた。そのためだろうが、前田会長は「構造改革」を唱えて「スリムで強靭な新しいNHKへ」と打ち出した。受信料が減少していくから改革して変わらなければということだろう。
人事制度を中心にかなり強引な改革を推進し、局内に摩擦も生み出した。辞めていく人々も出始めた。前田氏のやり方に賛否はあり、私も手放しに評価するつもりはないが受信料減少に対する考え方としては真っ当だと思う。
受信料大幅値下げを指示したのは誰だったか?
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