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生成AIの放送局事例がまた北から〜HTB北海道テレビ三浦氏に聞く〜

UHBに続いて北海道で生成AI活用事例を発見!

7月に、生成AIの活用事例をUHB北海道文化放送に取材した。またZoom勉強会も開催し、30名以上の購読者が参加してくれた。

生成AIの活用というと「誰でも動画が作れてしまう!」のような派手な話が目につくが、「業務効率化」という確実に日頃の作業に役立ち経費削減にもつながるソリューションこそ大事だろう。そしてUHBの事例では、生成AIのアプリを単独で使うのではなく、AWS(Amazon Web Service)を活用し、他のアプリケーションと組み合わせて使うこともポイントだと感じた。
と、思っていたらHTB北海道テレビの三浦一樹氏のFacebook投稿にこんなが記事を見つけた。

Serverless Operationsという会社のいわゆるオウンドメディアの記事で、同社がHTBのWEB記事自動作成の仕組みを開発サポートしたという内容だった。やはりAWSを使ってシステム化している。これはUHBに続いて取材せねばと思い、三浦氏にコンタクトして取材に応じてもらった。

コンテンツビシネス局 ネットデジタル事業部  三浦一樹氏にZoomで取材した

三浦氏とはずいぶん前から交流があり、新しいことに意欲的に取り組む技術者として認識している。同氏が関わるサイトの一つとして、sodaneがある。
sodaneは北海道テレビによるWEBメディアで、放送された番組の記事だけでなく独自の記事も数多く配信している。MediaBorderでも2021年4月に当時の責任者、阿久津友紀氏に取材して記事にした。

sodaneの記事は社員が個人の熱量で書かれたものが多いが、その中の1人の異動が今回の開発の発端だったという。
「一番記事を書いていた高瀬副部長が異動になり。『高瀬AI』を作ろうというところから始まりました。」と三浦氏。
sodaneにとって記事の更新数はメディア価値の大きな要素。減らしてはならない、ならば AIで自動的に記事ができないか、と三浦氏は考えた。
そして驚いたのが、副部長の異動をきっかけに取り掛かったのは「4月とか5月とか」で、ほんの数ヶ月前。そんなに早くできるものなのか。
もちろん三浦氏はずっと前から生成AIに関心を寄せていた。
「ChatGPTでAPIが叩けるようになった2年ほど前から技術者のコミュニティの中で議論され始めていました。今年に入って技術者向けの書籍がラッシュのように出てきて流れが加速しています。」
数年間得てきた知識を、副部長の異動を機に実際に生かしてみようと考えた。

番組をアップロードし、わずかなステップで記事を生成

Serverless Operations社の力も借りて三浦氏が取り組んだのは、番組の1コーナーやストレートニュースなどの動画ファイルから記事を自動生成する仕組み。テキストに合わせて画像も切り出すのがミソ。
実際の記事がこれだ。

見てわかる通りシンプルな内容だが、十分記事として読めるものだと思う。
では具体的にどんな作業になるのか。具体的に見せてくれた。

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