映画「まる」着想がめちゃくちゃ面白い、けどもう少し・・・
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堂本剛演じる売れない画家が何かに突き動かされて描いた「丸」が骨董屋を通じて世の中に出回り大評判。困惑し振り回される画家の顛末を描いた映画。
という、設定を聞くとめちゃくちゃ面白そうだし、実際面白いのだけど・・・ねえ。
でもとりあえず見て損はない。過剰に期待しないで見ると面白いですよ。
堂本剛が飄々と演じていて良い。彼のために当て書きされた脚本らしい。前半はとっても面白い。聞いていた設定が想像以上に展開していく。当初は本人を置いてけぼりに「丸」が広がってもてはやされていく。でも彼が得たのは骨董屋からもらった3万円だけ。
彼を取り巻くキャラクターも面白い。ボロアパートの薄い壁の隣に住むまったく売れてない漫画家が綾野剛。最初に在籍していた怪しいアーティストのところにいた女がその後社会活動家になり、「丸」を批判し敵対する。それが吉岡里帆で、それっぽい。
などなど、どんどん面白いんだけど、途中から話が転がらなくなる。盛り上がらない、というか。
まあ監督の荻上直子は盛り上がるエンタメ的な人ではないので当然なんだけど、その意味では荻上監督がなぜこんな素っ頓狂な設定を考えたのだろう。題材と作家の取り合わせが良くない気がする、と言うと怒られそうだ。
だから今年ベスト作だ!という感じではないのだけど、変わった映画だったよねと意外に記憶に刻まれることになりそうだ。そんな前提で見れば楽しめますよ、きっと。
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