映画「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」スカッと痛快な「地面師たち」
「カメラを止めるな」で自主映画なのに興収30億のビッグヒットを生み出した上田慎一郎監督が初の商業映画を作った!と聞くと行かなきゃ!めちゃくちゃ期待したら期待以上に面白かった!
内野聖陽演じる税務署員・熊沢は共働きの妻と高校生の娘との生活を大切に、また税金の取り立ても優しく仕事している。部下の望月さくら(川栄李奈)に甘いと言われてしまうが同時に望月の国税庁栄転を支えている。
明らかに巨額の脱税をしている実業家・橘(小澤征爾悦)とトラブルになり屈辱を味わう。一方、出所したてのイケメン詐欺師・氷室マコト(岡田将生)に中古車の個人売買で80万円をカモられる。親友の刑事・八木晋平)の助けで氷室を追い詰めるのだが・・・
熊沢の小心者キャラが面白い。洗濯物を畳みながら妻に車の買い替えを命じられて従ういい夫ぶり。でもどう見ても立花と繋がっている上司の署長には刃向かわない。少々歯切れの悪い男だ。
原作は韓国ドラマ「元カレは天才詐欺師」だと見た後で知ったが、見ている最中は気づかなかった、確かにマ・ドンソクが冴えないけど義憤に燃える公務員を演じていた。基本設定は原作通りだがかなり別の物語にもなっている。
企画は伊藤主税とあり、「winny」でも企画プロデューサーだった。脚本を年月をかけて練り上げる人で、この映画でも脚本に時間をかなり費やしたことがwebサイトの監督インタビューからわかる。そういうの大事!
いい脚本ができたから、主演の内野だけでなく、豪華なキャストが集まったのだと思う。中でも「虎に翼」ファンは「お兄ちゃん=上川周作」が大活躍するのが楽しめる。
なんと言っても、最後のトリックには脱帽だ。あの仕掛けは誰も気づかなかっただろう。何度も画面に出てきてたのに!
それからこの映画、座組が興味深い。大手映画会社もテレビ局も入っていない。エイベックスが委員会に入り製作幹事にクレジットされている。配給宣伝としてNAKACHIKA PICTURES という小規模な作品を手がける会社と、なぜかJR西日本コミュニケーションズという交通代理店の名前があった。かなり新しい座組で「Winny」もそうだった。
その意味でもぜひ興行的にも成功してほしい作品だが宣伝不足は否めないかなあ。だからこそ、みなさん見たら拡散してあげてね!絶対面白いから!
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