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フジテレビは今後何をすべきか、フジテレビが考えはじめた。それがまず、第一歩だと思う
フジテレビ「イット!」の「フジテレビの反省」にコメント出演した
2月21日放送のフジテレビの夕方情報番組「イット!」に呼ばれて「フジテレビの反省」というコーナーでコメントした。
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前日にZoomで取材を受けたのだ。私が書いた記事が17日に東洋経済オンラインで公開され、それを読んでくれたらしい。
フジテレビの放送収入は大きく減少すると発表されたので、それと第3四半期までの売上高からシミュレーションすると、ついにキー局4位に転落することを書いた。なぜ日テレに抜かれて突き放されたのかも解説している。
ただ、最後に昨年の「27時間テレビ」では若者たちとテレビで遊ぶ企画が好評だったことにも触れ、こう書いた。
いまの10代にとっての「私たちのテレビ」を目指せる下地ができかけている。これを大事にし、配信でも若者たちと交流できれば、新しい形の「放送+配信ステーション」が構築できるのではないか。
新世代が経営する、新世代に向けたメディアとして生まれ変わるポテンシャルは十分あるだろう。時代なんて、パッと変わる。今の苦境を乗り越えたところに、何かが待っているはずだ。そのためにも、経営体制の一新を図るべきだと思う。
80年代に突然大人気のテレビ局になった頃を知る私からすると、いまのフジテレビの苦境は信じられない。だがきっと、ここを乗り越えればいつか、あの頃は大変だったねと笑顔で振り返る時も来る。そんな励ましの気持ちで書いたのだった。
だから「イット!」のスタッフから連絡をもらい「フジテレビの反省」のコーナーでコメントしてもらえないかと依頼された時は、彼らの再生の第一歩を後押しできればと引き受けた。
フジテレビの現場からの依頼だった上に「イット!」のスタッフだったことは大きい。この番組は、1月17日の例の「紙芝居会見」の時、自社の会見なのにまるで他社の会見のように画像とテキストで内容を紹介し、解説した。橋下徹氏によるチェックを入れるスタンスのコメントも含めて、「言うべきことを言う」伝え方だった。最後に宮司愛海アナウンサーがきわめて落ち着いた態度で、でも抑えた気持ちも感じられるコメントをしたのが印象的だった。
私はこの時「イット!」という番組全体が、つまりはスタッフ全員が、会社に対して怒っているように受け止めた。
この時の背景も含めて、「イット!」の渡辺貢CPがロングインタビューに答えた朝日新聞の記事があり、いろんなことがわかる。(リンクは有料記事だが22日16時まで記事全文が読める)
さて「フジテレビの反省」コーナーから見えてくるものがある。フジテレビは今後どうすればいいのかだ。それは、今後どうすればいいのかを考えること。禅問答のようだが、それに尽きるし、そこから始まる。
これはどうしたら広告主が戻ってくるかとは、直接は関係ない。広告主はとにかく第三者委員会の調査結果を見てからだ、ということだろうし、それと合わせて現経営陣がどう責任を取るかだろう。これらがうまく作用すれば広告主は戻り、以前のようにCMを出稿するようになると思う。
だがそれとは別に、フジテレビにはやるべきことがあり、それは何をやるべきかを考えることからはじまる。
フジテレビが「視聴者と一緒に」再生したら最強のテレビ局になる
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