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リニア新幹線工事を進めるなら「もしもの場合」の補償を約束してほしい(また説明会に参加した話)

上の画像は、自分の家の真下をリニア新幹線が通ることに、大げさにいうとこれくらいのことが起こりかねないと不安で不安で仕方ない気持ちをChatGPTに描かせたものです。冗談半分ではありますが、こんなに不安なのでJR東海の人たちは安心させてください。そのためには、もし万が一おかしなことが起こった時を想定して補償を約束して欲しい。それが私としての要望です。

さて12月17日に大井町駅直結のホール「きゅりあん」でリニア新幹線工事についてのJR東海の説明会に参加しました。自分の家の真下をトンネルが通るので、不安を感じていたからです。安心できれば嬉しいと思って行ったら、かえって不安が増大しました。
その時のことを前後編に分けて記事にしたので、この記事を読む前にざっとでいいので読んでください。(前編はこちら↓)


東玉川小での説明会にも参加した

きゅりあんでの説明会の4日後、12月21日に今度は東玉川小学校で説明会がありました。ここはわが家から歩いて2分もかからない、めちゃくちゃ近い場所です。土曜日で13時30分開始。15分ほど前に着きました。

イスが200脚ほど並べてあり、私が着いた時は上の写真のような状態でしたが、どんどん埋まって開始時には7割程度。百数十名の方々が集まりました。
あ、会場には「撮影・録音はご遠慮ください」とありましたが、私は遠慮しないタイプなので写真を撮り、録音もしましたよ。前にも書きましたけど、自分たちは録画するのに住民には遠慮しろと言うのは図々しいですね。

説明会が始まると、前に並ぶ人々が名前を言っておじぎしました。司会役の人も名前を言いました。私は念のためメモしました。
名前を口頭で言ったものの、資料に名前はなく、漢字がわからないのはどうかと思いました。たとえば司会役の人は「カドワキ」と名乗りましたが「門脇」なのか「角脇」なのかわかりません。まあどっちかでしょうね。
はっきり名前を示さない。そんなところがまた、不信感につながるんですよ、カドワキさん。
説明会の内容は前回とまったく一緒でした。2回目なので前回よりずっと理解できました。でも初めてだと本当にわかりにくい。わかりにくい説明を、係の人はどんどん棒読みで読み進めます。こちらを見ないで書類に目を落としながらしゃべるのは前回と同じ。部下だったら「聞く人を見て話せ!」と言いますけどねえ。

融通の利かない進行が信頼関係を失わせる

さて今回の説明会は途中で声を上げる人はいませんでした。みなさん静かに説明が終わるまで聞いていました。
でも質疑の時間になるとたくさんの質問が出ました。みなさんよく勉強もされていて、私の知らない話や、資料のさらに奥まで掘り下げた質問が多くありました。
質問者の中には最初は冷静に話していたのが途中から感情を昂ぶらせて話す人もいました。みなさん、泣きたくなるほど不安なんだなあと思いました。そして、こんな不安な工事やめて欲しい、という気持ちが伝わってきました。私は、みんな同じ気持ちなんだなあと思い、目がじわっと来ることもありました。
そんな質疑の時間を、前回同様司会役の方は進め方が上手ではありません。カドワキさんは、自分たちの決めた進め方を外さないことしか考えてないように見えます。こうした会の進め方を勉強したほうがいいと思いました。
たとえば、ある方の質問と回答が終わったあと、その文脈に沿った形で別の方が「このシールドマシンはこの工事のために開発したんですか?」と大きな声で聞きました。質問は本来、手を上げて差されたらマイクの前に移動して行うことになっています。だからルール外の質問ですが、話の流れ上とてもいい質問でした。
ところがカドワキさんは「質問は挙手をした上でマイクの前で行ってください」と言うのですね。私は思わず「これくらい答えればいいでしょう!」と叫んでいました。
前回、差されないのに大きな声で発言する方を見て、自分もそのうちこうなるのかなあと思っていたのですが、まさにそうなったわけです。だって一言回答すればいい話なわけで。カドワキさんは融通が利かない人で、そんな姿勢がどんどん信頼を失うことがわからないのかなあと残念でした。
それから、質問が長くなる人がいましたが、とても興味深い内容なので聞き入っているとカドワキさんは「たくさんの方が待っておられますので、質問はできるだけ短くお願いします」と言うのです。これも思わず「聞いてるんだからいいでしょう!」と大きな声で言いました。カドワキさん、本当に機転を利かせてください。

6ヶ月で終わるはずの工事が3年もかかって大丈夫か

さて質問はたくさんあったので、大まかに紹介します。

  1. トンネルの上の住居に騒音は出ないか

  2.  調査の総括が示されていない

  3. 目黒川での泡の発生について原因究明を

  4. ボーリング調査が不足していないか

  5.  調査掘進は6ヶ月の予定が3年かかったのはなぜか

  6. 工事による空洞形成のリスクがあるのでは

  7. リニアの走行による振動が健康に影響しないか

  8.  大深度地下使用法は財産権を侵害していないか

  9. 外環道のように空洞形成が時間差で影響を及ぼさないか

  10. 目黒川での魚の大量死について

  11. 以前の「特殊な地盤はない」との説明と今回に矛盾がある

  12. ジャーナリストを説明会に参加させるべきではないか

  13. 安全対策の範囲はトンネル上部40m以内でいいのか

みなさんの質問は質問の体をとって工事に異を唱えているわけです。その中でもっとも説得力があったのが5番の質問でした。調査掘進は6ヶ月の予定で始めたら3年もかかっちゃったわけです。大丈夫かよ、いや大丈夫じゃないだろう。そう言いたい質問だと思います。
言われて私も思いました。調査掘進は北品川非常口からたったの270mを掘ったものです。令和3年10月に開始して令和4年4月には終わるつもりだったはず。

配布資料P35「調査掘進の経緯」より

ところが2月に「効率が上がらない」ことがわかり、点検して結果が出たのが8月です。故障した設備を修繕し、土の除去に取り掛かって掘進を再開できたのは開始から2年後の令和5年5月。
さらに7月にはまた点検開始し、シールドマシンの外周部を復元。再再開したのが令和6年の4月。やっと11月に終わったそうです。丸3年かかってしまいました。
たった270mに3年もかかってるんやんか!それで本工事に入って等々力までの約7.9kmを掘るのに何年かかるんや?270m掘るのに3年かかったペースだと87年間かかるでえ!
もちろん、調査掘進でわかったことをこう改善しますとの説明があったわけですが、そんなの掘り進めたら新たなトラブル起こるんちゃうの?と怪しい関西弁でからみたくなります。信用できまへんがな!
会社で部下が「半年の予定でしたがトラブルもあり3年かかりました。でもいろいろわかったので、ここからはスムーズに進めます!」とか言ってきて「よし、わかった!」と言う上司がいるわけないでしょう。「この事業、進めるか上で揉むから」ってなるに決まってる。なんで誰も止めないの?

大深度地下使用法という強引きわまりない法律

8番目の「大深度地下使用法」(正式名称:大深度地下の公共的使用に関する特別措置法)は2001年に施行された法律で、地下40メートル以上の深い地中を公共目的で利用する際に、その地上の土地所有者の同意を得る必要がないことを定めています。これ、考えたらめちゃくちゃ都合のいい法律じゃないでしょうか?成立時期から言って、どう見てもリニア新幹線工事のためにできたものでしょう。

こんな強引な法律、よほどの政治力がないと成立しない。おそらくですが、故葛西敬之氏が政治力を発揮したのではないでしょうか。
葛西氏については森功さんの『国商』という重厚な書籍があります。ここに何が書かれているかについてはまた別の機会に紹介します。私はNHKへの政治的圧力について知るために2年前に買ったのですが、後半はリニアについての記述が占めています。実はまだその部分、読んでなかったので、お正月に読みますね。リニア新幹線について知りたい方は自分で読むといいと思いますよ。

説明会にジャーナリストを呼ぶべき・・・えっと私は・・・

質問の12番はジャーナリストを説明会に呼ぶべき、というもの。JR東海の人たちはマスコミを説明会に入れない方針だそうです。これに対し、ジャーナリストを入れるべきではないかと質問がありました。さらに「ジャーナリストを呼ぶべきだと思う方は拍手してください」とおっしゃり、多くの方たちが拍手していました。私も拍手しながら、ジャーナリストではないけど、あちこちに記事を書く人なんだけどなあと思いました。
JR東海の人たちの気持ちもわからないでもないのは、この段階でマスコミを入れても双方にとってロクなことになりそうにないからです。テレビ局がよく事情も知りもせず取り上げたので兵庫県知事の問題はわけわからなくなりました。またフリーのジャーナリストの中には関係ないことまで長々と質問してかき回す人もいます。
私がこうして地味にnoteに書いているのは、ちゃんとこの問題を認識してくれる人に読んでもらいたいからです。私もYahoo!にエキスパートとして記事を書けるのですが、いきなり書いても暇つぶしに読んだ人たちが「くそ」とか「しね」とかXでコメントしておかしな炎上を起こしかねない。
書くとしたら私が懇意にしている編集者に相談して、まっとうな人が読む経済誌などに書くかもしれません。変に「リベラル」な記者たちが寄ってきてJRは大企業だから悪の権化だーみたいに話をこじらせて欲しくない。そのうち、信頼できるテレビや新聞の記者には支援をお願いしようとも考えています。

工事中止の前に、最悪の場合の補償を約束させるべき

そして私が住民の皆さんに言いたいのは、「工事を止める」ことを第一の目標にしないほうがいい、ということです。工事そのものを止めるにはものすごく時間がかかるでしょう。政治的には進めることに決まっちゃってるので。
でも先述の葛西氏は2021年、安倍晋三氏が亡くなった年に亡くなってます。さらに、自民党は少数与党になりました。この工事の政治的なバックアップ力は弱まっているので、止められる可能性はあると思います。だからそういう活動もやるべきです。
ただ、喫緊は「外環道に学べ」だと思うのです。あんなことがもしも起こってしまったらとてつもなく悲惨なことになります。調布で陥没が起こった一帯は「街が崩壊」したそうです。しかも4年経っても立ち退き交渉が難航し、決着できてないお宅も多いと聞きました。ポイントは、納得できる補償を認めさせること。「お宅も工事の影響と言えますか」という話になるわけです。そんなの、住めなくなった家は全部補償しろ、家財産の分に補償金を上乗せしろ、と交渉しなくちゃいけない。やむにやまれず納得できないけど提示金額に応じた人も多いはず。
そんなことは避けなければならない。もしいまの家に住めなくなったらこういう条件で補償しろ、住めるにしても大きく損傷あるからこの条件で補償しろ、そんな交渉を今からするのが現実的だと思うのです。起こって欲しくないけど、起こって欲しくないことが起こってしまった時に備える。それが優先的にやらねばならないことではないでしょうか。
私は、そんな目標のためにこれから動きます。あらゆる手段を使います。なんなら政治家に話しに行きます。行政にも働きかけます。そうした経過をnoteに書きつづっていきます。
それを地道に続けていけば、味方もできるでしょうし、その先には工事を諦めさせることも見えてくるかもしれません。

頑張って続けていきますので、読んでくれた方は「いいね」してもらえると嬉しいです。コメントも書いてもらえればありがたいです。もし工事対象地域に住む方がいれば連絡を取り合うこともできるでしょう。
私は自分の家と家族を守るためにできることを続けます。よかったら応援してください!

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