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生成AIはコンテンツ業界にとって、天使でもあり悪魔でもある

詐欺広告やMFAサイトを増殖させたのは生成AI?

SNSでの詐欺広告の話題が連日のようにニュースになっている。被害額はすでに何百億にもなると言われており、もはや社会問題だ。
メディア業界にとって同じくらい、あるいはそれ以上に問題なのがMFAサイトだ。これについてはAdvertimesに詳しく書いたので参考にしてほしい。

アドネットワークの広告配信先にこっそり入り込んでいたり、自ら広告主となってアクセスを得てより高い広告収入を稼いだり、実に巧妙なやり口だ。それによって真っ当なメディアが得るべき広告費を奪い取っている。メディア業界への影響は計り知れない。
詐欺広告やMFAサイトのような悪質な行為がこの一年ほどで急増しているのは、どう見ても生成AIの影響だと思う。詐欺広告の文面はそれなりによくできているし、MFAサイトのコンテンツが単純にどこかからコピペしたものではない。生成AIに作らせたものと捉えてよさそうだ。

生成AIは制作者の職も奪いつつある?

そう知ると、生成AIは腹黒い人々が使う悪魔のツールだと言いたくなる。だがコンテンツ業界にとっては別の意味でも悪魔だ。コンテンツ制作者の仕事を奪いつつある、という側面において。
例えば冒頭の画像は、ChatGPT4に”「生成AIは天使でもあり、悪魔でもある」このタイトルの記事にふさわしい画像を作成してください”というプロンプトを入力して得たものだ。一発で出たものではなく、最初に出てきたものが気に入らず、何度かやりとりして出してきた画像を使った。
みなさんお気づきと思うし明示してもきたが、去年の12月あたりから生成AIに作らせた画像を記事に使うようになった。それによって画像提供サービスを使うのをやめてしまった。
昔で言うレンタルポジの事業者はネットでさらに便利になったが、この先軒並みやっていけなくなるだろう。生成AIの方が面白い画像を作ってくれるし、料金も安い。ChatGPTは有料版を使っているが、それでもこれまで使っていた画像提供サービスより安価なのだ。
さらに、イラストレーターやカメラマンの仕事も一部は生成AIに奪われているはずだ。もちろん、名がある人々はその個性をAIでは真似できないし、うっかりすると著作権侵害になるので、ユニークで唯一無二の価値を持つ人なら影響はないだろう。だが、個性が薄く誰でも描けそうもしくは撮れそうなものしかアウトプットできないイラストレーター、カメラマンはAIに置き換えられてしまう可能性が高い。
さらに、すでに映像編集の分野も生成AIが侵し始めているようだ。

また、すでにSORAの作成した映像がニュースで紹介されているが、映像制作そのものも生成AIでかなりのことができるようになるようだ。

そうなると様々な業種に影響が出そうだ。そのうちストレートニュースはその多くが生成AIによって制作されるのかもしれないし、ドラマ制作もディレクターをはじめカメラマンや音声、照明といったスタッフがいらなくなりかねない。

ライターにとって書く作業を楽にする天使でもある

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