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「ローカルにもっと伝える力を」と掲げるKBCの新事業会社、Glocal K

「ふるさとWish」の精神を放送を超えて具現化するGlocal K

福岡のテレビ朝日系列放送局、KBC九州朝日放送についてはMediaBorderで何度か記事にしてきた。

2018年に取材した「朝倉Wish」は、その一年前に大きな水害に見舞われた朝倉市にKBCのクルーが滞在し、一週間そこから番組を放送する企画。KBCはこの考え方を拡張し、県内60市町村の一つの自治体から週ごとに番組を放送する「ふるさとWish」を翌年からスタート。すでに2周目を終えて3周目に入っている。

上の記事では、2020年2月に開催した「地域とテレビの未来を考えるシンポジウム」の中でKBCの和氣靖氏が「ふるさとWish」についてプレゼンした様子をレポートしている。

筆者は自分も福岡出身なので、KBCの地域との関係づくりをする活動にひときわ注目してきた。「ふるさとWish」は、KBCが自分たちの存在意義を見直す活動だ。ローカル局は県庁所在地以外の市町村を知らなすぎる。エリアのすべてをもっと知り、自治体や住民とのつながりを深めることで、ローカル局が必要な存在にならねば。そんな想いが込められている。

「ふるさとWish」を続けるKBCが、昨年新会社・Glocal Kを立ち上げていた。「地域のチャレンジを支援する」会社とあり、「ふるさとWish」と関係があるようだが、具体的にはどんなことをするのだろう。取材の機会を見計らっていたところ、この7月に新サービス「たびつく」をローンチした。

どうやら、参加者が自分で発見した旅のルートを他の参加者にシェアする、UGC的なサイトのようだ。

「地域のチャレンジを支援」「ふるさとWish」「たびつく」この、3つのピースが繋がりそうで繋がりが見えないパズルのようになっている。これは実際に聞いてみなければと、取材をお願いしてみた。

「一方的な発信から地域課題の解決へ」を志した報道記者

Glocal Kの代表取締役・持留英樹氏はKBCに2000年に入社し、報道畑を歩んできた。報道の現場で日々様々な出来事を世に伝えながら、一方的な情報発信の限界を感じるようになった。中国に赴任していた2000年代後半に、スマホを手にした市民が自ら情報発信し熱狂する姿を目の当たりにし、日本での変化も予感したそうだ。その想いを、年に一回出す自己申告書に「地域課題の解決を目的にした新規事業をやってみたい」と書いてみた。すると2019年7月に社長室への異動を命じられた。

持留英樹氏2

社長室で俯瞰的に会社を見ることから始めるのかと思ったら、翌年には新会社を立ち上げるべく準備をしろと言われて慌てたそうだが、すでに持留氏は方向性を持っていた。

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