第七世代が出演すれば若者はテレビを見るのか、ざっくり調査してみた件
若い人が出れば若い人がテレビを見るのか?
先日、A-PAB(放送サービス高度化推進協会)の依頼で会員社向けの講演を収録した。この団体からは2015年(当時は前身のDpa)以来2019年まで毎年講演を依頼されていた。昨年はコロナ禍でお声がかからなかったが、今年は収録を後日配信でお届けする形で講演会が復活した。いつの配信かは会員社の方には通知が届いているはずだ。
2年ぶりだったので考えていたことを2年分、ストーリー立てて詰め込んでしゃべった。多くはこのMediaBorderで書いたこと、取材した事例だったりするが、この講演用に調べたこともある。
それが表題の「第七世代で若者の視聴率は伸びたか」だ。
個人視聴率やコア視聴率など若い層を軸にした新しい指標の登場のせいか、急激に若い出演者がテレビで目立っている。中でもお笑いの分野では、霜降り明星のせいやが自ら「第七世代」とネーミングし、芸人の中で新しい勢力となっているようだ。
実際、霜降り明星に限らずEXITやミキ、3時のヒロイン、ハナコらをテレビで見ない日はない。20代から30代前半の彼らはもちろん、より若い世代の視聴者に番組を見てもらうために起用が増えているのだろう。
では実際にどうなのだろうか。A-PAB講演の配信の予告も兼ねて、ここで検証してみよう。
第七世代の出演回数はどれくらい増えたのか
まず、2019年から今年までの彼らの出演回数を調べた。テレビ放送の内容をすべてテキスト化してデータとして出すエム・データは私が顧問としてお手伝いしている会社だ。そのエム・データに頼んで、3年間のある1週間をピックアップし、第七世代の出演回数を出してもらった。
第七世代の定義はテレビ情報誌「ザテレビジョン」が出していた第七世代芸人一覧を当てはめた。
また調査対象は各年の6月第一週とし、2019年6月3日~6月9日、2020年6月1日~6月7日、2021年5月31日~6月6日に設定。また関東の民放5局に絞り、NHKは除いた。その結果がこれだ。
イメージと少し違った点がある。19年の時点で34回に達していたこと。20年と21年で差が少なかったこと。だが、ここ数年で第七世代の出演が急増したことは間違いない。2017年くらいから調べればより顕著だったかもしれない。
細かく見ていくと、いくつかのパターンが見えてくる。まず、2019年の時点ですでに2021年と変わらない出演回数だった「先行型」。
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