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斎藤元彦氏の当選はSNSのデマのせいではなく、政策が伝わるSNSの仕組みを地元のPR会社が整えたから


斎藤元彦氏はなぜ兵庫県知事選で勝てたのか。
テレビでは、SNSでデマが飛び交い、そのデマに侵された人々が斎藤氏に投票したような言い方をしていた。なんと兵庫県民に失礼なことか!
だが違うのだ。そうではなく、SNSだからこそ彼の真面目さが伝わり、改革への熱い志が政策とともに伝わった。選挙に必要な2大要素「政策と人柄」がマスメディアのフィルターを介さずにSNSで届いた。実にSNS本来の、発信者と受信者が直接つながる良さが、効果を発揮したのだ。
それは、彼のSNS投稿を追えば誰でも感じることだ。

元々SNSを使っていた斎藤氏

まず斎藤氏は前回の選挙に向けて総務省を辞めた21年3月のタイミングでXを開始していた。

そのうえで、今回の選挙を迎える前から県民のための投稿をかなりの頻度で投稿していた。今年の8月に台風が近づいた時にはこんな投稿をしている。

そして県議会から不信任案を出され失職した。それを伝える投稿には1万ものリプライがついている。

それらはほとんど、激励だ。まだ世間ではバッシングされていたのに、ここには多くの支持者がいる。元々続けていたSNSを通して県民たちと繋がっていたのだ。この人たちが後に広がる母体となっただろう。

地道だが戦略が感じられるコミュニケーション

10月に入り選挙活動を始めるのだが、10月9日にはコピーなどの変更を投稿した。デザインも一新し、いわゆるブランディングを導入している。

他にも様々なコミュニケーションが整っている。戦略が実は潜んでいるのだ。ひとつひとつ検証してみよう。

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